今井(いまい)さん。ハイヤードライバー。国際ハイヤー株式会社第一支店所属。 1985年キャリア(中途)入社。趣味はウィンドサーフィンで、猫を飼っている。(取材日:2017年11月14日)
今回は企業の専属ハイヤードライバーとして、役員の運転手をされている今井さんにお話を伺います!
よろしくお願いします。
早速ですが、今井さんはなぜハイヤードライバーになられたのですか?
「いい車に乗って、若いのにエグゼクティブと関われる仕事だなんて、かっこいい!」という憧れからです。運転が好きだったこともあり、求人を見つけてすぐに応募しました。
当時のハイヤー業界はどこの会社も国産車はマニュアルがほとんどだった中、国際ハイヤー(km)だけがオートマ車だったんですよ。「国際ハイヤー(km)は車も給料もいいけど厳しい」って聞いていて、憧れるようになったんです。
車や給料が良いのは良いことだと思うのですが、厳しい環境に憧れたんですか?
「厳しい」ということは、「教育がしっかりしている」ということだと思うので、むしろ厳しい環境で働きたいと思っていました。若い頃からエグゼクティブと仕事ができる誇り高い仕事ですから、高い基準が求められる会社で働きたいと思っていたんです。
高い基準で仕事をすることができる、教育のしっかりしている会社で働きたいという思いがあったんですね。
実際に国際ハイヤー(km)に入社してどうでしたか?
教育担当の方だけではなく、ドライバーの方たちも色々と教えて下さいました。車の掃除の仕方から接客、車の並べ方など・・・出勤してから制服に着替えるので通勤時は何を着ても良いのですが、当時の先輩方はスーツを着て出勤していましたね。国際ハイヤー(km)のハイヤードライバーとして誇りを持っているんだなと身が引き締まる思いでした。
みなさんプライドを持って仕事されているんですね。今井さんはハイヤードライバーの仕事の魅力はなんだと思いますか?
休日が多くてしかも平日に休める、収入が多い、夜出勤して朝帰るというシフトのおかげで満員電車に乗らなくて済む・・・などありますが、やはり一番の魅力はお客さまとの信頼関係を築いていけることだと思います。
今井さんが、お客さまと信頼関係を構築するために大切にしていることはなんですか?
「適切なタイミングに、適切な場所にいること」を大切にしています。
例えば、会食の会場が商業施設の中にあるお店の場合、会食が終わる頃には玄関が閉まってしまってしまう場合もあります。そんな時、閉まっている玄関の前でお待ちしていても、車を探させてしまうことになりますよね。
そこで、その場合は警備員さんなどに夜間出口を事前に聞いておき、会食が終わる頃に夜間出口の前でお待ちするようにしています。「今井さん、なんでここから出てくると分かったの?さすがだね!」と言っていただけた時はとても嬉しくなります。
なるほど!役員さんから「終わったよ」と電話がくるまで待機しているわけでは無いんですね。
私は、国際ハイヤーのハイヤードライバーたるもの「電話が鳴ってから迎えに行く」ではダメだと思っております。ですから、会食が始まってから2時間が経過したら、15分刻みで様子を見に行くようにしています。
仕事内容や会食のお相手によっては、車が目立ってはいけないケースもあります。例えば、こちらはハイヤーで帰るのに対し、お相手がタクシーで帰られる場合などです。その際は、少し離れた場所で状況を見て、適切なタイミングでスッと役員さんの前に止められるように運転しています。
そんなところまで気を配られるんですね!すごいです!
もちろん、目的はお客さまの仕事が円滑に進むようなサポートをすることです。いくらホスピタリティを発揮しても、結果が伴わないなら意味がありません。
昔、お客さまを次の会議にお送りする道で事故が原因の大渋滞に巻き込まれてしまったことがありました。「これだけの渋滞だと、高速を降りて下道で向かったほうが早いかもしれません」「こちらのルートのほうが混雑していないと思います」など最大限出来ることはしたのですが、定刻に間に合いませんでした。
お客さまから「今井さん、一生懸命色々やってくれるのはありがたいんだけどね、間に合わなかったら結果意味ないんだよ。間に合わなそうなら、無理してハイヤーで向かわなくても、駅で降ろしてくれていいから」という言葉をいただき、本当におっしゃる通りだなと反省したんです。
そういった経験があるからこそ、現在の今井さんがあるんですねハイヤードライバーにとって必要なスキルってなんだと思いますか?
よく利用する場所への経路を複数知っておくなど、地理やルートに関する知識や運転スキルは大事ですね。お客さまとの信頼関係を築く上で大切な要素となりますから。やはり、お客さまとの信頼関係が築けていると感じられる時はとても嬉しくなるんですよ。
今井さんが今までで一番嬉しかったことはなんですか?
私は、夜ご自宅までお送りした際にお客さまが見えなくなるまでお見送りをするようにしています。現在担当させていただいているお客さまは5年目になるのですが、2年目のある日、ご自宅に入られる前に振り返って「今井さん、明日もよろしくね」と手を挙げて挨拶してくださったときのことが忘れられません。2年かかったけど、認めてくださっていることが分かりとても嬉しかったことを覚えています。
今井さんはお客さまとの信頼関係を本当に大切にされているんですね。
お客さまに「今井さんはプロだから」と言っていただけた時もとても嬉しかったです。「尊敬している方に、プロの運転手として認めてもらえた」という喜びこそハイヤードライバーのやりがいだと思います。
今井さんから、ハイヤードライバーとしてのプライドを感じます!
ありがとうございます。プライベートや一般の運転手と同じ運転ではハイヤードライバーとしての意味がありませんからね。車の揺れが少なくなるようにマンホールは踏まずに走る、一定の速度で走り続けられる車線選びなど、当然のようにこだわっていますし、そういう高い基準を目指せる仲間と一緒に働いていきたいですね。
最後に、今後の目標を教えてください!
昔、お客さまに「今井さんは素晴らしいプロだよね。今井さんのプロ意識は、本当に国際さんのブランドに貢献していると思う。だけど、もし今井さんが国際さんから他社に転職したら、それは他社のブランドになっちゃうんじゃないの?」と言われたことがあるんです。
私はそれを聞いて、もちろんとても嬉しかったです。ですが同時に、私たちのホスピタリティ溢れる質の高いサービスは個人に依存しているものではなく、国際ハイヤーブランドとして「やっぱり国際さんは素晴らしいね!」と言っていただけるようにしていきたいとも感じました。
サービスの基準というものを更に高く統一していくためにも、熱意ある人たちと一緒に国際ハイヤーを盛り上げていけたら嬉しいですね。
今井さんのようなハイヤードライバーが増えていけば、更に盛り上がりそうですね!本日はありがとうございました!