自動車販売の世界からハイヤードライバーへと転身。中途入社で掴んだ新たなキャリア。 

キャリアは自動車販売からスタート。経済の動きをキッカケに、転職へ。

中途入社でハイヤードライバーとして活躍中の小松さん。まずは、これまでの経歴についてお聞かせください!

高校卒業後、ほぼフィーリングで自動車整備士の専門学校へ進学しました。車は好きだったので、この業界なら特に違和感なく頑張れるかな、と思いまして。メカニックに関することを一通り学んで、専門学校卒業後は大手自動車販売会社のディーラーへ就職。そこで、整備士としてキャリアをスタートさせました。

 

2、3年経った頃、営業職のメンバーが退職した関係で空きが出まして、「営業職やってみない?」とお誘いの声が。これも一つのご縁かな、と感じ、思い切って職種変更へ踏み切りました。自動車販売会社の営業では、車の詳細について説明する機会が多くありますので、メカニック・整備士としての知識があればより詳しい説明を以て接客ができます。これまでの知識と経験を活かしながら新しい環境で働ける、この職種変更は価値ある物でした。結果、自動車販売会社での営業職というキャリアを20年強続けることになりました。

 

小松さんのキャリアの大部分は前職での営業経験。一転、転職活動へ踏み切るのですね。

そうですね。当時、不景気の波は自動車販売の業界にも影響を与えました。私が働いていた頃の自動車業界の好景気は、言ってしまえばバブル景気の流れを引き継いでいただけだったんです。「売れない」状況が続くと、会社の空気感も変わってしまい、厳しい指導とノルマに追われる日々に。「成績の世界」になってしまいました。好成績のメンバーはスーパースターに、売れないメンバーは蚊帳の外。そんな弱肉強食の世界で働き続けるのは、精神的に辛い所がありまして。思い切って、転職活動を始めたんです。

 

業界の変化を受けて、転職活動へ。どんな業界を視野に入れていたんでしょうか?

様々な業界・職種について調べていたのですが、「やりがいのある仕事」という視点から探すことが多かったですね。ただ、この「やりがい」という部分だけに焦点を当てるのは、得策ではないと思いました。各方面から、さまざまな意見を聞く中で、入社のハードルが低く、「やりがい」という謳い方で求人情報を出す業界・会社は賃金・仕事の内容が割に合っていないことがあると・・・。転職活動では、その業界・職種について深く調査をするべきですね。巷では「やりがい詐欺」なんて言葉もあるようです。

 

慎重に転職活動を進める中で、「役員運転手」として働いている知人からお話を聞く機会がありまして。その実体験、仕事の内容・賃金についての話を聞く中で、「これは魅力的だな・・・」と。ピンと来ました。そして改めて業界・企業を調べて、遂に見付けたのが、国際自動車(国際ハイヤー)だったんです。

間違いが許されない、責任のある仕事。
「厳しい仕事」の一方で、圧力やパワハラとは無縁です!

時間を掛けて見付けた次の転職先、それが国際ハイヤー。さまざまなタクシー会社・ハイヤー会社がある中で、「国際自動車(国際ハイヤー)」を選択した決め手は何だったのでしょうか?

もちろん、最初はさまざまなハイヤー会社の情報を集めました。中には、国際ハイヤー以外に内定をいただいた所もあったんです。その中でも、「国際自動車」という大手のブランド力は光っていましたね。また、最初から正社員として採用していただけるという点も大きかったです。他社さまの中には、長い研修・会社のルール・基準をクリアすることで、やっとこさ正社員に・・・という所もあるみたいで。即戦力で働き、稼げる国際ハイヤーはとても魅力的に映りました。

 

他社さまとの比較・検討を経て、いよいよ入社。実際に仕事が始まってみて、いかがでしたか?

研修・仕事内容など、入社前に聞いていた通りの好環境でした。入ってみて分かったのは収入面、働き方まで魅力的で、言ってしまえば「天国」(笑)。ぶっちゃけ、前職では残業代すら出ませんでしたから・・・。ノルマあり・報酬なしという環境から一変、基本は決まった就業時間で残業の場合はその分の報酬あり。会社が正しい倫理観・価値観を持っているという印象を受けました。

 

現在は、どのようなスケジュールで仕事をされているのでしょうか?

ハイヤードライバーの仕事では、固定のお客さまを受け持ち、毎日そのお客さまの移動をサポートする形の「専属」から、ご用命があった際にスポットでハイヤーを動かす「フリー」の仕事。また、企業さまの社用車を運転する・・・というようなイメージの「委託」のお仕事まで多種多様です。私はその中で2名のお客さまの「専属」という形でハイヤードライバーを担当しています。

一人目のお客さまは朝の通勤時のみハイヤーをご用命という形ですので、その送りを担当して業務としては一段落。二人目のお客さまとは、その後一日を共にし、挨拶回りや会食など、スケジュールに合わせてハイヤーを動かすことになります。お客さまがお打ち合わせや会食に参加される間はハイヤーの中で待機となります。その時間は、スケジュールを再確認したり、休憩の時間に当てたりと臨機応変に対応しています。

 

お客さまのスケジュール管理など、コツを掴むまで難しそうですね・・・!

一週間のスケジュールをまとめていただけるので、それをもとに計画を立てることができます。ですから、スケジュール管理は意外とスムーズに進みますよ。ただ、間違いが許されない仕事というのも事実。その一週間の猶予の間に、訪問する施設のことや、道路の情報を丁寧に調査します。私の場合は、その施設に直接電話を掛けて情報を仕入れますね。というのも、サイトなどで調べられる情報には限りがあるんです。ハイヤードライバーが知りたいのは、車寄せの位置など割とニッチな情報で(笑)。飲食店や総合施設の場合は、入り口がどこかパッと見で分からない所もあります。細かい所まで情報を詰めて、事前準備を整えるんですよ。私たちハイヤードライバーがスムーズに仕事を進めることはもちろんですが、時間通りに着けなかったり、間違った場所に停めてしまったりすると、お客さまに恥をかかせてしまうことに繋がりますから。

 

 

「間違いの許されない仕事」という意味では、前職のノルマ・成績主義のように厳しい世界という印象も受けますが・・・。

もちろん、どのような業界・職種でも仕事への責任は生じますから、ハイヤードライバーに限った話ではないと思いますよ。ただ、前職のようにノルマに追われながらも報酬・残業代はもなし・・・というパワハラ的な世界ではありません。自分の仕事に責任を持ち、その分だけお給料をいただける。仕事量・やりがいと金銭面でのバランスは納得ですから、理不尽な厳しさはありません。

 

ハイヤードライバーの仕事の中で敢えて「最も重要な要素」を挙げるとすれば、何でしょうか?

キーワードは「時間」。常に時間を意識する仕事だと思います。ハイヤーが遅れるのは以ての他ですが、逆に到着が早すぎるというのもマイナス。時間通りに仕事を進められた時に、仕事が上手くいった!という実感がありますね。

 

「身だしなみ」は、ハイヤードライバーの必須事項。
ケア用品は常に携帯してます!

プライベートの時間など、ワークライフバランスについては、いかがでしょうか?

仕事とプライベートに時間は切り分けて、休みの時間を取れていますよ。ハイヤードライバーの多くは、土日祝が休みなんです。これは、単純明快な理由で、お客さまが土日祝休みだからですね(笑)。週末が休みだと、周りの友人達と予定を合わせやすくていいですね。前職までは、土日平日関係なく出勤・残業という世界で働いていましたから・・・。ドライバーの仕事は、運転できる時間がルールによって決まっているので、休みがない、ということはまずあり得ません。それが、他業界・他職種と大きく異なる点だと思います。

 

なるほど、ドライバーならではの働き方ができるのですね。休みの日はどのようにお過ごしですか?

身体を動かすことが好きなので、登山を楽しむ民間の大きな団体に所属して活動をしています。登山からウォーキング、アウトドアまで。普段、千代田区をはじめとした都心の中で仕事をしているので、緑のある自然溢れる空間でゆっくりしたくて(笑)。リフレッシュと健康を兼ねて。憩いの時間を過ごしています。そのほか、ゴルフはよく行ってましたし、テニスも続けていましたね。ボウリングも・・・とにかく運動ですね!

 

すごくアクティブに身体を動かしていらっしゃるんですね!

ドライバーの仕事は座っている時間が非常に長いので・・・。仕事の合間に簡単なストレッチをすることはありますが、それだけでは身体を壊してしまいます。負担軽減と、気分転換を兼ねて休みの日に運動しているんですよ。

 

なるほど。休みの日はゆっくり過ごしながらも、身体のケアをしているのですね!まさに仕事の流儀、といった所だと思います。他にも、ご自身ならではのルールなどございますか?

いつも気を配っているのは、身だしなみ。お客さまに失礼のないようにケアを怠らないようにしています。このように、道具一式を揃えて待機の時間に整えられるように気を付けています。意外と忘れがちなのが、後頭部の寝癖。ドライバーはお客さまに後ろ姿を見せる機会が多いので、手鏡を使いながら丁寧に身だしなみを確認するんですよ。とにかく、だらしないことはしない。清潔感を保つ。プロフェッショナルとして、気を配っている所ですね。

 

ここまで道具を揃えているとは、流石です。そんな小松さん、最後に今後の目標やビジョンについてお聞かせください!

要人の方をお乗せするような仕事は経験してみたいですね。まだ、そのようなお仕事に関わる機会と巡り会えていなんです。サミットの仕事とか、迎賓館に行くとか…魅力的ですね。やっぱり、ハイヤードライバーの中でも特に「スペシャリスト」の箔が付きますから!

 

さらなる高みを目指して…!本日は貴重なお話をありがとうございました!