台湾での専業主婦歴20年から中途入社。転職活動の厳しい現実を乗り越えて出会った「ハイヤードライバー」という仕事。

台湾から帰国、そして転職。陳さんの履歴書には…。

ハイヤードライバーの陳さん、本日はよろしくお願いします!まずは、国際自動車(国際ハイヤー)入社以前のご経歴についてお聞かせください。

大学卒業後に台湾人の夫と結婚して、まもなく台湾へ。専業主婦として20年強の海外生活を送っていました。子どもが高校に入学したタイミングで、子育てが一段落。はじめての就職活動、台湾の大手翻訳会社のマーケティング部門でキャリアをスタートしました。業務内容は、新たな顧客の開拓。日本語・中国語をはじめとした、多言語間の翻訳を得意とする会社でしたので、書籍や資料などの翻訳のニーズがないか、テレアポ営業を続けていました。

キャリアのスタートは台湾で。海外生活は随分長かったんですね。

子どもが日本の大学への進学を志望していたので、そのタイミングで日本へ戻ることになりました。丁度、その翻訳会社が東京に事務所を開くという話があったので、今度はプロジェクトマネージャーという立ち位置で日本でのキャリアがスタートしました。ここまでは運がよかったんですが…東京での仕事は台湾にいた頃とまた環境が変わってしまいまして。人間関係でトラブルがあったり、控除・税金の関係で稼ぎが少なくなったりと厳しい状況に陥ってしまったんです。思い切って転職活動を始めたんですが…これが非常に難しかったんですよ。

プロジェクトマネージャーという役職と台湾での実績があれば、転職活動は上手く進みそうですが…。

もちろん、その強みを活かせれば仕事先を見付けられると思っていたんです。ただ、私が履歴書を作成すると20年強という長い期間は「専業主婦」という経歴に。台湾大手の翻訳会社での経験は、それがどんなに濃密な時間だったとしても紙の上では2、3年。アラフィフでの転職で、数年の職歴しかない私を受け入れてくれる企業は、なかったんです。厳しい現実を突き付けられ、途方に暮れてしまいました…。

中国語のスキルなど、実力があっても転職は厳しかったんですね。

履歴書を送っても、返事すらない状況で。職歴の浅さ、年齢的な壁…さまざまな要素が重なり、採用担当の目に留まらなかったのだと思います。

そんな中、「中国語」というキーワードで業界・職種を絞って検索していた所、「ハイヤードライバー」が引っ掛かったんです。確かに、中国からの賓客をお乗せする仕事など、中国語を使う機会もありますよね。それまで、ハイヤードライバーの仕事と外国語を扱う仕事がリンクしていなかったんですが、これはチャンスだと。思い切って応募した所、返事が返ってきたんです。それまで履歴書を送っても何の反応もない…という日々でしたので、選考に進めたという時点で魅力的に映ってしまいました(笑)。国際ハイヤーと出会うまで、ほんとに、面接に行くことすらできなかったんですよ!専業主婦・アラフィフの厳しい現実。そんな私を受け入れてくれたのが、国際ハイヤーでした。

ハイヤードライバーとしてキャリアスタート!
陳さんが営業所での仕事にこだわる理由。

ハイヤードライバーとの出会いに縁を感じて…。とはいえ、それまで意識していなかったドライバーという仕事。不安はありませんでしたか?

面接の際にハイヤードライバーのお仕事についてご説明いただき、「自分に合っているのでは?」と思えました。翻訳会社で働いていた時からの課題なのですが、急な対応を求められたり、焦りながら仕事をしたりすることに少し苦手意識がありまして。丁寧にじっくり取り組める仕事の方があっていると思ったんです。ハイヤードライバーのお仕事は、一週間分のスケジュールと仕事内容をまとめていただけるので、時間を掛けて事前準備ができます。心の準備をして、決まったお客さまを決まった場所へ、ご案内する。ノルマや営業といった、追われるような環境ではないので、安心できました。加えて、台湾にいた頃から車をよく運転していましたので、ドライバーとしてのスキルにも不安はありませんでした。

なるほど、ご自身に会っている仕事と気付けたと。面接の時の雰囲気など、覚えていますか?

入社前に試運転させていただく機会がありましたね。その時、一緒に乗ってサポートをしてくださった方の指導がとても丁寧で。研修の手厚さを実感しました。不安な点があっても、サポートを受けながら覚えられるという安心感があり、入社の決め手にもなりました。

実際にハイヤードライバーとしての仕事が始まってからは、いかがでしたか?

最初に営業所に入った頃は、まだ女性のドライバーが少なかった時代で。「こんなに男性ばかりの会社なの?」という驚きがあったんですが…、その環境の中に入っていくのは、これまた新鮮で(笑)。みんな、いいおじちゃんばっかでした(笑)。明るい雰囲気で、休憩時間にはみんなでトランプをすることも。台湾にいた頃は家族間でのコミュニケーションが中心だったので、今思えば日本語でのおしゃべりに飢えていたのかもしれません(笑)。今では女性ドライバーも増えて、雰囲気が大きく変わりました。実は「委託」の仕事を勧められたことがあったんですが…。

「委託」と言えば、特定の企業が持つ社用車の運転手として、その企業に配属される形のハイヤードライバーですね。

営業所から離れて企業のもとで働くのがどうも辛くて…お断りしてしまったんです。私は、営業所で仲間達と一緒に働きたいという思いが強くて。そのため今は固定のお客さまのお送りと、空き時間にスポットでるフリーの仕事をさせていただいています。しばらくは、この働き方は変えたくないですね!

陳さんにとって、仲間との絆は一際大切な物なんですね!確かに、それぞれの価値観で仕事を選べるのは魅力的です。

時には、中国語を使う機会も!
「中途入社ならでは」、前職のスキルが活きる。

ハイヤードライバーのスキル向上のため、取り組んでいることはありますか?

ここ最近は、東京の名所を回ったり、都内のグルメ情報を調査するサークルの部長として活動しています。例えば麻布台ヒルズや八重洲ミッドタウン、虎ノ門ヒルズといった施設を回って車寄せの位置などを確認するんです。地図だけでは分からないこともあって、こうして実際に訪れることで仕事に必要なスキルが蓄えられるんです。こうした勉強会の場では、普段営業所で会えない「委託」のメンバーと話す機会もあります。それがまた楽しくて…。今はもうとにかく、仕事がたのしくて仕方ないんです(笑)!

仕事へのやりがい、楽しさ…陳さんの天職が見付かったようですね!陳さんはこれまで中国語をはじめとした言語に関するお仕事をされていましたが、こうした語学のスキルは活きていますか?

空港からお乗せする仕事の場合、アジア系の方だな…と思った際には中国語でのご案内をしてみることがあります。中国語が通じる場合もあって、その際はこれまでの仕事で培ったスキルが十二分に活きますね!ネイティブクラスで、中国語で夢を見るくらいなので(笑)!

厳しい転職活動の現状を乗り越えて、天職に出会えた陳さん。今後の活躍も期待したいと思います!本日は貴重なお話をありがとうございました!