斉藤(さいとう)さん。ハイヤードライバー。国際ハイヤー株式会社第一支店所属。2013年キャリア(中途)入社。前職はスポーツ販売促進営業をしていた。趣味はフットサルと登山。(取材日:2016年3月2日)
今回インタビューを行ったのは若手ハイヤードライバーの斉藤さんです。ハイヤードライバーというと年配の男性を思い浮かべる方も多いと思いますが、斉藤さんは取材当時まだ20代。今年で3年目となるフレッシュな斉藤さんにハイヤードライバーのやりがいを伺ってまいりました!
斉藤さんは、27歳でハイヤードライバーに転職していますよね。以前は何をやっていらしたんですか?
スポーツ用品の販売促進営業をしておりました。
ハイヤードライバーに転職した理由はなんですか?
前職は給料が思うように上がらず、ボーナスも無かったので将来に不安があったんです。結婚も考えていたので転職を考えました。ハイヤードライバーになったのは、運転が好きだったからです。好きなことを仕事にしたくて、世間的にかっこいい職業というイメージがあるハイヤードライバーになりました。
確かにハイヤードライバーは高級車を運転してVIPを送迎する華々しい職業というイメージがあります。
そうしたイメージに恥じないように努力を続けないといけません。でも入社して思ったのは、ハイヤードライバーは思っていたよりも大変な仕事だということです。
ハイヤードライバーに転職して、一番苦労した点はなんですか?
地理です。
やはり都内の道を覚えるのは大変でしたか?
私は方向音痴なので余計苦労しました。早い人は2週間で終わる研修を、1ヶ月もかかった問題児だったんです(笑)
ハイヤードライバーになりたい人にとっては励まされるエピソードですね!(笑)
指導乗務員の先輩には本当にお世話になりました。助手席に乗ってもらって実際に車を走らせていてもあまりの緊張で逆方向に進んでしまったこともあります。「こら!どこに行くつもりだ!」と苦笑しながらも忍耐強く教えていただいて本当に感謝しております。おかげさまで今では担当したお客さまから「この道は空いていていいね」と褒めていただけるようになりました。
新人のうちはどんな仕事を担当するんですか?
スポット利用という、1日単位でハイヤーを利用できるサービスです。私の初仕事もスポット利用でした。
初仕事はいかがでしたか?
緊張しましたよ〜!丸の内にあるハイヤー第一支店からスタートして、浜松町周辺を色々まわりました。当日に任された仕事でしたのでかなり焦って、先輩ハイヤードライバーにルートの確認を何度もお願いしてアドバイスを求めまくりました(笑)
どんなアドバイスですか?
「なるべく車線変更をしないでスムーズに走行できるように、この道は左側をずっと走った方がいいよ」「この道は混むからこっちの抜け道を通った方がいい」などです。キャリアの長い先輩方は抜け道をよくご存知なので、的確なアドバイスをいただけるので助かります。一つの目的地に向かう場合でも、ルートを3つ用意しておきなさい、と注意を受けたこともあります。最初は一つのルートを考えるだけで精一杯でしたが、3年目になってやっとできてきました。
斉藤さんの趣味の一つ、登山での一枚。転職してから自由な時間が増え趣味にも時間を費やすことができているそうです。
3年目の現在はどんな仕事を担当しているのですか?
委託と呼ばれるサービスです。私の場合は、ある一部上場企業の専務の方の専属ドライバーとして、自宅から会社まではもちろん、日中の移動や会食時の移動まで一日中お送りさせていただいております。
斉藤さんの1日の流れを教えてください。
私は車を自分の家の近くにある駐車場に駐車しています。ですから朝は第一支店に出勤せず、自宅から専務をお迎えにあがります。約束時間の20分前の6時40分には専務のご自宅付近に到着し、8時に会社に着くように運転します。日中は専務に社外での用事があればお送りしますが、移動頻度は平均すると1日2回ほどですね。待機中は契約者さまの会社で地理の勉強やルートの確認などを行っています。自宅に戻るのは早くて20時半、会食などがあると22時半頃になります。
なるほど。斉藤さんがハイヤードライバーとしての仕事を行う時に心がけていることはありますか?
常に謙虚でいることです。ハイヤードライバーは社会的地位の高い方々をお送りする機会が多いので、自分が偉くなったかのように勘違いしてしまうケースもあるんです。意識は運転に表れますので、強引な車線変更やスピード超過などにも繋がってしまいます。
だから常に謙虚な姿勢を忘れないということですね。
そうです。ハイヤードライバーは「あかじか」を守らなければなりません。
あかじかとは何ですか?
安全、確実、迅速、快適という運転をする上でのルールです。どれが欠けても良いハイヤードライバーにはなれません。安全、確実、迅速は達成度が分かりやすいですが、快適な運転・接客ができているかは自分で判断し辛いので難しいところです。自分はまだまだ未熟ですが、1つコツがあるとすれば空気を読むことだと思います。
空気を読むことですか?
以前の営業職は、物を売るためにお客さまに明るく元気に話すことが求められました。しかしハイヤードライバーとなった今ではマニュアル通りでは対応しきれないことだらけです。慌ただしい業務をこなす方々にとって車内は貴重な安息の場になります。言葉で考えを伝えられない分、表情や態度、お礼の言い方や運転中の姿勢ひとつで誠意を示さなければなりません。
ハイヤードライバーの挑戦しがいのある部分ですね!
誤解を恐れずに言えば、ハイヤードライバーの仕事は決まっております。お客さまを目的地までお送りすることです。しかし、その決まった枠の中でどれだけ深いレベルで行えるかが工夫しがいのあるところだと思います。改善できる伸びしろは普段の乗務の中にたくさんあるはずです。一つひとつ地道に克服していくことで、より成長していきたいです。
第一支店営業担当者との一枚。
斉藤さん、ありがとうございました!