国際自動車(kmタクシー)縁の下の力持ち!内装を作る内張り職人の仕事。

タクシー「内装」職人のプロに聞く!

今回は国際自動車(kmタクシー)羽田営業所内にある、kmGオートアシスト「内装」へやってきました。ここでは、タクシーのマットや座席のシートなど、様々な物を作る「内張り職人」のプロフェッショナルたちがいるようです。お仕事の様子や、こだわりについて取材させていただきたいと思います!本日はよろしくお願いいたします!

よろしくお願いいたします!

早速ですが、こちらのテーブルにある物は…?

お客さまの足元に敷くマットです。こちらは消耗品ですので定期的に交換をしなければなりません。

何やら、マット本体とは別に小さな正方形の物もありますね。

正方形の小さなマットを車両に固定します。この小さなマットと、マット本体はマジックテープで繋がるようになっているんです。マットの補修が入った時に、「そもそもマットがずれるから消耗してしまうのでは?」と思いまして。マットが滑らないように工夫をして、今後の破損が少なくなるにしたんですよ。

マット一つを取っても、そんなこだわりポイントが!

マットの製造は一つひとつの工程をすべて手作業で。反物から必要な素材を切り出し、ミシンを使って縫合しています。 

工場内を見渡すと、まだまだ様々な製品がありますね。こちらは、座席のように見えますが…?

そうですね!座席はお客さまが直接触れる部分ですので、念入りにケアをする必要があります。 

座席の交換となると、椅子の部分を丸ごと取り替えるというイメージですか?

いえ、座席のシート…お客さまが背中が触れる柔らかいクッション部分の修理といえば伝わりやすいでしょうか。 

元々車に付いている座席を取り外して、悪くなってしまったスポンジを補強します。こちらの部屋にストックしてあるのは、その補強に使用する素材です。 

代替のスポンジやチップがありますので、大きさをカットして当てはめていきます。 

もちろん、外側のカバーも手作業で製造します。このように型紙を元にして反物を切り出し、新しいカバーを作り上げるんですよ。

なぜ自動車メーカーに依頼しない? 独自に「内装」する、その理由。

なるほど。しかし、座席の交換…となると自動車メーカーから部品を購入するという方法もありそうです。なぜ、kmGオートアシストでの自社製作をしているのでしょうか?

もちろん、自動車メーカーから購入したり、修理を依頼したりもできます。しかし、kmタクシーで保有しているタクシーの数は膨大ですから、莫大な費用が掛かってしまうのも事実です。このような理由から、自社で直せる物は直し、作れる物はイチから作っているんですよ。 

例えば、ハンドルカバーもイチから製作。ハンドルの形に合わせて作らなければならないので、ミシンが使えません。こちらは、手縫いで仕上げています。 

なんと、手縫いでしか作れない物まで。 この形だと、どうしても機械で仕上げることが難しいんです。他には、ゴルフカートの手すりカバーなどもありますよ!こちらはファスナーで取り付ける形になっています。 

ここまで、革を使った物を中心に紹介しましたが、実はこんな物もあるんです。 

ハイヤーの座席に取り付けるレースのカバーです!これも、こちらの工場で作っているんですよ。タクシーの中、ハイヤーの中に取り付けられている物は、ほとんどこちらで作られた物です。タクシードライバーの方も、意外と知らなかったのでは(笑)?

タクシーの内装に関する整備・修理・製作を請け負う専門の工場…といった感じですね。

はい。ただ、ずっと同じ部品を作り続けているわけではないんですよ。

時代の流れに合わせてタクシーも変わる。

「あったらいいな」の最前線でありたい!

近年では、コロナウイルス感染拡大を受けてタクシーの中に取り付けなければならない物が増えました。その一つに、「ミラクルガード」があります。

お客さまとドライバーの間に設置して、感染を予防する役割を果たします。こちらも、私たちが作り上げた物なんですよ。

なるほど。世間の動きに合わせて、必要な物が変わるんですね。

おっしゃる通りです。その上、ただ感染が予防できればいいというわけでもないんです。タクシーやハイヤーは単なる「移動手段」ではありません。ご乗車いただく時間を有意義に、ゆったりと過ごしていただけるようにホスピタリティを持って仕事に臨む必要があります。このミラクルガード一つを取っても、きれいに整備されている方が、快適に過ごせるはずです。

お客さまとドライバーの間に設置して、感染を予防する役割を果たします。こちらも、私たちが作り上げた物なんですよ。

この取り付け部分は、元々マジックテープ仕様だったんです。ただ、それでは車両によってズレが出てしまうし、ごみもついてしまいます。お客さまの目に触れる場所に設置するので、見栄えも意識して検討し、現在の形に仕上がりました。このように、試行錯誤を重ねて数々の製品が出来上がっているんです。 

決まった物を作っている工場…というわけではないので、常にクリエイティブな思考が求められる職場ですね。「コロナウイルス感染拡大」という大きな動きがありましたが、その他にも社会の動きがありまして。タクシー業界でのニュースとしては料金を「事前確定」でお支払いいただくケースが生まれました。そのため、料金が表示される場所を一時的に隠すメーターカバーを作ったんです。

社会の動きを読んで。「こんな物があれば便利なのでは?」と想像する。タクシー業界の「当たり前」を変えていくのが私たちの役目であり、やりがいであると感じているんです。既製品だけじゃ実現できない「あったらいいな」を地で行くのがこの工場なんだと思っています!

「kmタクシー」縁の下の力持ち…!本日は貴重なお話をありがとうございました!