中途採用タクシードライバーから、運行管理者という新たな道へ。 「絶対嫌な気持ちでは出庫させない!」ポリシーとは。

(Photo klaus Einwanger)

PROFILE
寒河江さん。運行管理者。国際自動車(kmタクシー)株式会社吉祥寺営業所所属。2014年度中途入社。日勤。(取材日:2019年6月26日)

前回の取材から4年。
タクシードライバーから運行管理者に変わるその理由とは。

前回の取材(2015年8月31日)から4年弱経つわけですが、その間に寒河江さんは運行管理者になられたんですね。そのキッカケとは?
尊敬している班長に「運行管理者になってみないか」と誘われたことです。尊敬する先輩のお誘いだったので、とても光栄でしたね!

ドライバーの時と働き方が変わって仕事に対する考え方も変わりましたか?
そうですね。ドライバーの時は業務時間中一人になるので基本的には自分のことだけ考えていればよかったんですけど、運行管理者になってからは自分のことだけでなく他のメンバーのことを考えなければなりません。周りに対する気遣いができるようになったことが一番大きな変化ですね。今まであまり話す機会のなかった人とも話す機会ができ、コミュニケーションスキルは上がったと思います。また、一見話しかけづらい雰囲気の人も話すと意外と気さくな人だったり優しい人だったりすることが分かりました。多くの人と関わることで、もっとkmタクシーのことが好きになりましたね。

運行管理者になってからの一日のスケジュールを教えてもらえますか?
勤務時間は6時から15時までです。6時~8時は出庫するドライバーの方々の見送りになります。見送った後、今度は8時半~9時に帰社する人たちの出迎えをします。9時からは内勤の人たちで朝礼を行い、そこから12時までは帰社した人たちの乗務後点呼を行います。1時間休憩を挟んだ後、14時ごろから出庫のタイミングなので見送りをしますが、間の時間は雑務をこなしています。基本はこのスケジュールで動いていますね。帰る時間がしっかり決められており、残業はないので安心です。

恋人の反対を押し切って入社。
当時を振り返って今思うこと。

さかのぼる形にはなりますが、入社当時の話を聞かせていただけますか?
前職はIT系の会社に勤めていたのですが、タクシードライバーに転職すると言ったら当時付き合っていた彼女(現在の妻)に激しく反対されましたね。というのも私は新聞配達で学費を稼ぎながらIT系の専門学校を卒業してやっとの思いで就職したということがあったので。大変な思いをしたのに辞めてしまうのかと言われたんです。あと、私は地元にいた頃は正直運転が乱暴なところがあったんですよね。それを知っていた彼女に反対されました。

運転スキルは研修で鍛えたのですか?
そうです。研修で全部直してもらいましたね。できないところや上手くいかないところがあったら何回も丁寧に教えてくれますし、「何でできないんだ」などと頭ごなしに否定したりするのではなく、「こうしてみたらいいんじゃない?」などと導くようなアドバイスの仕方をしてくれるんですよね。また、研修の時に言われたことで今でも覚えているのが、「研修は会社の心臓だから」という話です。私は「頭」だと思っていたので驚きましたね。

(Photo klaus Einwanger)

「研修は会社の心臓」ですか。一体どういうことなのでしょう?
研修は人間の体における頭のように指令を出すところというよりは、心臓のように血を作り全身に送り出すところというイメージなんです。研修でいい血を作って全身、つまり会社で言うと各部署に巡らせるということですね!

なるほど。それほど研修を大事にしているということですね!

「絶対嫌な気持ちでは出庫させない!」
勝負は出社してから出庫するまでの時間。

最後になりますが、これからの目標などをお聞かせいただけますか?
運行管理の仕事でとにかく大切なのは出社してから出庫するまでの雰囲気づくりだと思うんです。絶対嫌な気持ちで出庫させたくないんですよ。「今日も頑張るぞ」という前向きな気持ちで働き始めてもらいたいんです。

運転スキル等の実技面だけでなく、メンタル面でもサポートしていくのですね。
プライベートで嫌なことがあったりしてあまり気分が上がらない日もあると思うんですけど、出社から出庫までの短い間に少しでも明るい気分になれるような時間、そして職場環境を作っていきたいですね。タクシー業界で働いていることが心の安定につながればよいと思います!

寒河江さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!