PROFILE
森さん。タクシードライバー。国際自動車(kmタクシー)株式会社東雲営業所所属。2014年度中途入社。(取材日:8月26日)
「夢いっぱい」のタクシー業界。
その転職のキッカケとは。
過去数回Driversに出ていただいている森さん。まず改めて転職の経緯を教えていただけますか。
転職を考えるキッカケになったのは母親の病気でした。進行性の難病に罹ってしまって。実家のある茨城は、車がないと生活できないような場所。そんな中、母がお医者さまから運転を止められてしまったんです。妹は正社員登用されたばかり、弟は就職したばかり。母親を病院へ送り迎えするなどサポートできる状況にはありませんでした。そこで母を支えながら続けられる仕事を探して転職活動を始めたんです。
前職は何をされていたんですか?
英会話学校で講師をしていました。なので、英語力を活かせる仕事が第一条件でした。元々車が好きだったので、英語×車ならタクシー業界だな、と閃いたんです。車関係の仕事で言えば、中古車の輸出業など別の業界も考えたのですが、なかなかフレックスで働ける会社、時間に融通の利く仕事がなくて。その点も、タクシー業界なら自分のペースで働けるので安心だったんです。
今タクシー業界では、英語スキルが求められているのですか?
TOKYO2020に向けて、日本にいらっしゃる外国人の方々が増えています。実は転職時に「英語×車」と考えた際、真っ先に調べたのは観光業界やツアー会社、ホテルなどの求人でした。最初は、タクシー業界=英語という感覚はなかったんです。偶然「観光タクシードライバー」の求人を見つけてから業界を調べると、英語を使って外国人対応をしているドライバーたちが活躍しているという事実を知りました。しかし、まだその英語スキルは十分ではないとの情報も。それなら私が英語を教えていた経験を活かして「ドライバーの英語力向上」を図れるのではないか、と思ったんです。もうタクシードライバーが自分の天職なんじゃないか、くらいに思いましたね!上司から「そこまで夢いっぱいで入ってくる人はそうそういない!」と言われたほどです(笑)。
タクシー業界で「英語の先生」。
国際自動車(kmタクシー)ならではの肩書です。
他のタクシー会社は考えたりしましたか?
他社様にも足を運んでいましたよ。最終的にkmタクシーの決め手となったのは、「タクシードライバーとしての仕事以外の仕事にも挑戦できる」独自の風土でした。実際にドライバーの仲間に英語を教える「先生」としての役割も果たしました(笑)。また、組合の役員も務めさせていただいているなど、多岐にわたる仕事に関わっています。
なぜ組合の役員をやることになったのですか?
上司から「やってみないか?」とお誘いを受けたことがきっかけです。kmタクシーでは様々な機会を与えてくれる風土があります。そのおかげで自分の視野になかった選択肢が見えることも多く、有難い限りですね。
何か今やっていること以外にkmタクシーでやりたいことってありますか?
そうですね。実は現在進行で「やりたい」って思ったことは常に挑戦しているので、その時その時に求められた仕事に取り組んでみたいという気持ちがあります。
オリンピックまであと1年。
草の根の「英語勉強会」の成果。
いよいよオリンピックが一年後に迫ってきましたが、何か変化はありますか?
自分が入社してからの5年で英語が話せる人はすごく増えましたね。個人的なレベルではありますが、社内で勉強会を開く活動もしています。草の根の活動ですが、少しずつ成果が出てきた実感はありますね。
勉強会では主にどんなことをしているんですか?
タクシードライバーとして必要な基本のフレーズを教えています。いくつかのフレーズが言えればそれだけで8割くらいは問題なく接客ができるようになるんです。例えば、「どちらまで行かれますか?」「シートベルトをお締めください」「空調はいかがですか?」「料金は~円になります」などですね。
確かに、タクシーならではのフレーズですね。
そうなんです。タクシードライバーでないと分からないよくあるシチュエーションやよく使うフレーズもあるので、普通の英会話講師だと教えづらいことだと思います。英語講師もドライバーも経験している私だからこそできる仕事。「私だけ」の仕事であることがやりがいに繋がっています。
前職での経験と入社してからの経験、どちらも存分に活かして働いていることがよく分かりました。今日は貴重なお話ありがとうございました!!