PROFILE
佐野さん。タクシードライバー(運行管理者)。世田谷営業所所属。
経済難で危ぶまれた転職?
救いの手をくれたのがkmでした。
まずは、入社のきっかけについてお聞かせいただけますか?
私は元々29歳から職人として働いていたのですが、その業界は「15歳から職人をしている」などの若い先輩たちがいる世界で、正直なところ居心地の良さを感じられなかったんです。その後転職して電力会社での仕事も経験したんですが、なかなか思うような仕事・環境に恵まれることなく、今度は結婚を機に心機一転。また転職活動を始めたんです。ですが、当時は不景気の煽りを受けてなかなか新たな職場が見つからなくて。
当時、というとリーマンショックのことですね。
そうですね。車の運転スキルに自信があったので運送業を7社受けたのですが全て不合格。35歳での転職という年齢的なハンデ、当時の経済状況が相まって厳しい転職活動が続いたんです。そんな時に受け入れてくれたのが国際自動車株式会社(kmタクシー)です。実はkmタクシーは私の父親が働いていた職場。親子ともども、kmタクシーにお世話になることになったんです。
なんと、親子でkmタクシーのメンバーだったんですね!
事故を経験したからこそ、
後輩に伝えたいことがある。
実際に入社されてから、お仕事は順調でしたか?
はい。先ほど申し上げた通り運転は得意でしたので、すぐに業務に慣れました。ですが、入社してからしばらく経ったある日のこと。車の故障を伴う事故を起こしてしまったんです。その際に身を以て「交通安全の責任を一人で負う」という使命を再確認しました。乗務中は道のこと、残り時間や売上のことを意識しながらお客さまを探すなど、気を配りながら安全運転をしなければなりません。だからこそ、運転スキルだけでなくリスクヘッジのための知識や癖付けが必要になるのです。
なるほど。それでは、新しくkmタクシーに入る方々は、どのような点に気を付ければよいのでしょう。
運転スキルに自信があっても先ほど述べたような「タクシーならでは」の部分は、入社前に学ぶことは難しいでしょう。だからこそ、私の失敗談が役に立つのです。後輩たちを、同じような目に合わせたくない。そう思い、この事故の話は隠さずに敢えてオープンにしています。「タクシーの仕事は難しくないからね」とポジショントークだけをしていても意味がありませんからね。
確かに、こうやってオープンにすれば「自分は何をすべきなのか」がはっきりしますね。
そうですね。具体的に言えば基礎中の基礎「ルールを守る」ということが大切だと思います。それは交通ルールはもちろん、常識やマナーもおさえておくべきでしょう。また、決められたルールを守る中で、社会の変化を見逃さないこと。「今日は神宮球場で野球の試合がある」「今日は東京ドームでアイドルのコンサートがある」このような社会の動きに合わせて、人の動きは変わってきます。この動きの変化がタクシーの利用に直結してくるのです。ドライバーの中には、毎日家に帰ってから3時間掛けて翌日の社会の動きを調べる人もいるようです。それぞれが異なる対策をして、ルールを守ることを実践しているんです。
ドライバーの仕事は運転だけ?
いいえ、もっと奥が深いんです。
ご自身の経験を後輩たちに伝えていくという目標を掲げる佐野さん。ズバリ、後輩たちに伝えたいタクシードライバーの仕事の魅力とは?
タクシードライバーの一日を想像した時に、「ずっと運転をしている」という単純作業な仕事のように思っている人もいるのではないでしょうか。実はタクシー業界に入って最初に鍛えなければならないのは「お客さまの要望を聞く」という仕事なんですよね。 このヒアリング力とコミュニケーション力を鍛えると、「以前指示されたのに似ているルートだ」と今までの経験が生きる場合があります。すると、自然と以前よりもスムーズな運転やよりよいルートの提案ができるのです。こちらからの提案に対して「いいね!」と言われる瞬間はたまりません。お客さまも、ドライバーもお互い気持ちよい環境が作れるといいですよね。
確かに、タクシーは「移動手段」だけでなく「くつろぎの空間」というイメージもあります。車内が和やかな雰囲気だと嬉しいですね。
そうですね。タクシー業界は運転という単純作業の繰り返しではなく、人と人とのつながりを大切にするホスピタリティ溢れる仕事なんです。かけがえのない仕事は、自然とその価値も上がります。ですから、給料面も待遇が良いんですよね。本当に、ありがたい話です。新卒での入社を考えている方は同年代の方々よりも相当稼げると思いますよ!
やりがいが大きな仕事だからこそ、その対価も大きい。どちらも仕事を選ぶ上で大切にしたいところですね!佐野さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!