紅葉の名所巡り!タクシードライバー木原さんに聞く、おすすめスポットと転職のルール

PROFILE

2015年中途入社 木原さん
国際自動車タクシードライバー

「浜離宮」から始まる紅葉めぐり!もちろん、木原さんのキャリアにも迫ります。

本日はタクシードライバーの木原さんにご案内いただき、都内のおすすめ紅葉スポットを巡りたいと思います。夜間の紅葉ライトアップイベントまで参加できるようで、楽しみです!本日はよろしくお願いいたします!

よろしくお願いいたします!ライトアップイベントの開始まで少し時間がございますので、まずは「浜離宮」へ紅葉を見に行きましょう!

さて、こちらが浜離宮。桜が映えるお花見スポット、菜の花畑など春を感じられるスポットとしても人気を集めるこの場所ですが、秋は紅葉を楽しむことができます。この「浜離宮」は正式には「都立浜離宮恩賜庭園」という名称で、国の特別名勝及び特別史跡に指定されています。江戸時代から続く由緒ある庭園ということで、景色だけでなくその歴史的背景までも楽しむことができます。

園内には御茶屋があり、こちらで抹茶と和菓子をいただきながら紅葉を眺めることができます(有料)。紅葉と御茶屋、この「和」の雰囲気が堪りませんね!この度はお昼のタイミングで来ましたが、ライトアップイベントも行っているようです。スケジュールが合えば、ぜひこちらにも足を運んでみたいですね!

さて、せっかくこうして御茶屋で一息…というお時間ができましたので、ぜひ木原さんのこれまでのご経歴についてお聞かせいただければと思います。まずは、前職についてお聞かせいただけますか?

前職はバイク便のドライバー、物流を担当するライダーとして働いていました。50代まで、長くキャリアを積みましたが2015年に国際自動車(kmタクシー)へ転職することになります。これまでの経歴ということですので、バイク便のライダーになる、それ以前に遡ってお話させていただきますと、最初のキャリアはYMCA(東京キリスト教青年会議)で社会教育に従事していました。当時、まだ社会教育が今程浸透していない時代で、YMCAは業界のトップリーダーとしてボーイスカウトや野外活動を推進していたんです。就職前の私は正直な所、若さゆえ遊びに一生懸命で…こういった「学びの中で個を尊重する」仕事であれば、頑張れると思ったんです。とてもやりがいのある仕事でした。

最初は、教育の現場にいらっしゃったんですね。

はい、仰る通り「現場」に拘って仕事をしていたんです。それが、年数を経ると役職に就き事務仕事が増え、次第に教育の現場から遠くなってしまい…。これは順当なキャリアステップではあるんですが、現場に立ちたい私にとっては、なかなか辛くて。現場に立つことができないなら他の場所で仕事をしようと、転職活動に踏み切ったんです。

なるほど、ここで、転職活動をスタートさせると。…丁寧なお話ありがとうございます。段々と辺りが暗くなって参りましたので、続きは次の紅葉スポットにてお伺いできればと思います!

熊本を感じる「肥後細川庭園」!転職エピソードの続きは、タクシー業界との出会いについて

さて、お次に紹介したいのが、こちら「肥後細川庭園」です。「池泉回遊式庭園」ということで、真ん中にある池を囲うように、ぐるっと道が続いており、変化する景色を楽しみながら一周することができます。「肥後」と名が付いているように、熊本と関係の深い場所。幕末に細川家の下屋敷へ、明治には細川家の本邸となりました。そのルーツが受け継がれ、今もなお「熊本」に紐づいた催し・企画が開かれることが多いようです。今回のライトアップも、そのようですね!

 

こうして池の周りを歩いて進んで行きます。

向こう側に見える木々の紅葉。歩みを進めると今度は、先程歩いて来た道が向こう側に見えます。道中に見える竹細工は、肥後…すなわち熊本に纏わる伝統的な物。「秋の紅葉ライトアップ―ひごあかり―」というタイトルにある通り、熊本の歴史を織り交ぜた「ならでは」の景色が作られています。

こちらも、御茶屋で和菓子をいただくことができるようです。ライトアップイベントに合わせて、夜間も営業しているみたいなので(2023年イベント参照)、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

ありがとうございました。さて、次のスポットへ向かう道中、助手席から少しインタビューをさせてください!先程、転職活動を始める所までお話をお伺いしました。

いざ転職活動を始めハローワークに足を運んだのですが、年齢的になかなか求人が見付からなくて。「自分が経験してきたことを強みに転職できる」と思い切っていたのですが、社会は厳しかったですね。家族の生活がありましたから、なんとか稼ぎを作らなくてはならない。さまざまな業界について調べる中で年齢的な制限が少ない、タクシー業界が目に入ったんです。タクシードライバーは難しいのではないかと思い、別の道を考えることにしたんです。次点で候補にあった、これまた年齢的な制限の少ないライダーの仕事を始めたんです。

なるほど。転職活動を始めた当初から、タクシー業界は目に入っていたんですね。

そうですね。そこからしばらくライダーとして働きました。個人事業主という形で、企業にライダー登録を行う。そこで、人並み以上の収入を作ることができました。また、教育畑にいたこともプラスに働き、ライダー養成の仕事も担当するようになりました。ただ、これまで別の理由で仕事を離れることになるんです。それは、物流と社会の動きの関係性。リーマンショック、東日本大震災などの影響をもろに受ける物流業界。そして、Amazonなどの通販サイト発展に起因する物流業界への企業参入です。これまでライダーが担当していた仕事のパイを、多くの企業で分散してシェアするようになってしまったんです。物流の案件を多くのライダー達で分けるとなると、企業としてはすべてのライダーに仕事を振って、それぞれのトントンの報酬を与えるという思考になってしまいます。「多く運んだライダーに歩合制で報酬を」という形が取れなくなってしまったんです。これでいよいよまた転職か、となった時に、再度タクシー業界での仕事に目を向けてみたんです。…さて、次のスポットに着きました!まずは最後の紅葉スポット紹介といきましょう!

「陰」を楽しむ、太田黒公園へ!そして聞く、タクシー業界の魅力は…「ルール」?

さて、到着したのは荻窪「大田黒公園」こちらも、紅葉のライトアップをお楽しみいただけます。同じライトアップイベントでも、こちらはまた趣きが異なりますよ。先程は、「ひごあかり」というタイトルにあるように光・明かりが一つのテーマになっていましたが、こちらは「陰陽」といいますか、「陰」の部分にフォーカスを当てた企画になっています。

木々を眺めるのはもちろんのころ、水面に映った紅葉も幻想的で、闇の中、水と木々の境目が分からない程に互いが溶け込んでいるんです。眺めていると、吸い込まれるような錯覚に陥りますよ。

他では、なかなか見られない紅葉の魅せ方だと思います。こちらもぜひ、足を運んでみてください!

さて、お話はkmタクシー入社について…まで進みました。いよいよ入社、率直な感想はいかがでしたか?

コミュニケーションに関する課題は特に問題なく。意外とスムーズに対応することができました。驚いたのは「ルール」がしっかり整っているということ。個人事業主の頃は特にルールに縛られることなく、自分の好きなように働いていましたから…それゆえ、正直前職の時の方が好きに休みを取ったり、好きに働いたり自由度が高かったと思います。ただ、「自由度が高い」イコール「いい仕事」ではないと思い始めまして…。

交通ルールを遵守、勤務時間を管理…タクシー業界の厳格な安全管理やルールの中で働き始めると、前職までの仕事がいか問題点が多かったか自覚し始めたんです。「縛られる」のではなく「守られている」という部分が多いことに気づき、タクシー業界はお客さまだけでなくドライバーのことも真摯に考えてくださる世界なんだと痛感しました。

また、違う視点でメリットだと思うのが「ルール」の中で働く…「ちゃんとした仕事をしている」という感覚。子どもがいるのですが、同級生の親御さんとお会いする度に「『自由度の高い仕事』で働く親の目線だと、子どもに伝えられていない物・教えられていないことがあるのでは」…と不安に感じることがあったんです。ルールの中で働き、周りと合わせて集団としての行動を行う。その社会性を得られることも、私にとっては大きなメリットだったと思います。決して、自由度の高い仕事が悪いというわけではなく!私は両方経験したからこそ、子どもたちに伝えられることがあると思っています。

なるほど。転職活動から社会に対する何か哲学のような物まで掴み取る…。さまざまな現場を経験された木原さんならではの転職論だと思います。

本日は貴重なお話をありがとうございました!