バス運転手への未経験転職で失敗しないためにチェックしたい3つの条件

PROFILE.
能津(のず)さん。観光バスドライバー。ケイエム観光バス株式会社大森営業所所属。2013年8月キャリア(中途)入社。前職は旅行会社の添乗員。趣味は野球で、営業所の野球部に所属している。(取材日:2019年1月16日)

今回は入社6年目の能津さんにお話を伺います!早速ですが、ケイエム観光バスのバスドライバーに転職するメリットとは何だと思いますか!?

率直に言っていいんですか?給与以外です(笑)

え!?給与って特にキャリア(中途)入社の方には大事だと思うのですが…。

もちろんです。私も子どもが2人いますし、家族を養っていかなければいけません。私が言いたいのは、高給与が転職の第一の目的ならば違う仕事を探した方が良いんじゃないかな?ということです。バスドライバーで年収800万円とか1千万円というのはうちの会社では難しいと思うので。

なるほど。そのくらいの高所得を目指すならという意味ですね!

その代わりと言ってはなんですが、ケイエム観光バスは特に業界未経験で挑戦したいと思う方にはとても良い環境だと思います。私も前職は旅行会社の添乗員なので、運転の仕事は初めてでしたが、会社のおかげできちんと家族を養えるくらいには仕事ができるようになっています。

ケイエム観光バスが業界未経験者にオススメな理由を教えていただけますか?あと、転職を失敗させないための会社選びのポイントも教えてほしいです!

私の個人的な意見なので参考までにですが、お伝えしますね。まずは会社の設備です。私が所属する大森営業所には、車庫に給油所と洗車機が設置されています。ですから給油と洗車・清掃が営業所に戻ってきてから一気に行うことができます。

一方、小規模な会社ですと車庫とは異なる場所にそれらの設備があることが多いため、仕事でクタクタに疲れたあとにわざわざ離れたところに行って、給油と清掃をそれぞれ行わなければいけません。場合によっては、それらの時間が業務時間に含まれない場合があります。バスは車体が大きいですから、洗車・清掃にはけっこう時間がかかります。実際の拘束時間と給与で時給換算すると割に合わないという可能性もあるので、気をつけた方が良いと思いますよ。

まずは設備をチェックするんですか!確かに働きやすい設備が整っている方が絶対良いですよね。

ちなみにケイエム観光バスの場合は、バス車内に関しては専用のお掃除業者さんが清掃してくれます。幼稚園の芋掘り遠足で車内がどれだけ泥だらけになっても、翌日には業者さんがピカピカにしてくれるので本当に助かるんです。私たちバスドライバーが掃除するのは外側部分だけ。指紋でベタベタになった窓を磨くのは一苦労ですから、業者さんが入っている会社をオススメしたいと思います。

会社によっては掃除用具も自分で用意する場合もあるみたいなので、そこも注意した方が良いかもしれません。とはいっても、私も自分で掃除用具を買うこともあるんですけどね。基本的なセットは会社が揃えてくれていますが、さらに磨き上げたいという愛車精神があるので(笑)待機時間にせっせと自前の掃除用具で磨いているバスドライバーもいますよ。これ、ホイールをビカビカにしてみたときの写真です。自慢気に見せたら息子は「すごーい!」と喜んでくれたんですけど、娘には「でもさー、お客さまってそこまで見てないよね」と一蹴されました(笑)

男女の違いが(笑)では、他の「ケイエム観光バスが業界未経験者にオススメな理由」はいかがでしょうか?

2つ目は、コンプライアンス、というか会社がどれだけバスドライバーを守ってくれるかです。これはバスドライバーにとっては死活問題ですから受ける会社がどういう姿勢でいるかは確認した方が良いと思います。

確かに大事だと思うのですが、どうやって見極めたら良いのでしょうか?

分かりやすいのが働くシフトです。どういうことかと言うと、観光バスドライバーの出勤・退勤時間は日によってバラバラなんです。多いのは朝6時出勤ですが、営業所の仮眠所を利用して朝4時に出勤することもあります(余談ですが、仮眠スペースが綺麗かどうかは割と重要なのでチェックした方が良いと思います。もちろんケイエム観光バスは綺麗なのでご安心ください)。勤務スケジュールがバラバラなのは観光バスドライバーの宿命なので慣れるしかありません。問題は次の仕事が入るまでの時間です。

次の仕事が入るまでの時間?

バスドライバーの過剰労働を防ぐため「退勤から次の出勤までは8時間以上空ける」というルールが国によって定められています。この規則を守っていない会社はそもそも論外だと思いますが、よく考えると20時に終わって8時間空けるといったら朝4時です。「8時間空いているから大丈夫!」と言われても、そんなスケジュールがずーっと続くと体力的にやはり大変です。一人のバスドライバーに仕事が集中しないようにきちんとシフトを管理してくれているか、という点に会社のバスドライバーに対する姿勢が見えますよね。繁忙期ならまだしも人手不足のために無茶なシフトを集中して入れてくる環境は長い目で見ると辛いと思います。

ちなみにケイエム観光バスはというと?

大切にしてもらっているな、と感じますよ。繁忙期のときは多少早起きが辛いと思うこともありますが、無茶なスケジュールばかり押し込まれることはありません。シフト変更などにも柔軟に対応してもらえます。私はケイエム観光バスに入社してから子どもの運動会に参加できなかったことがないんです。前もって調整すれば家族との時間もとれますし、融通をきかせてくれます。

そうだ。休みの話で言うと、ケイエム観光バスでは年間の公休日が発表されているんですよ。それも他社と比較したら珍しいみたいですね。自分の休みがいつか分からないという会社もあると聞いたことがあります。

施設に、スケジュールに、会社のドライバーに対する姿勢など、転職前に確認した方が良いことってたくさんあるんですね!

募集要項だけでは分からないこともありますよね。その最たるものが職場の人間環境だと思います。私が転職先にケイエム観光バスを選んだ決め手は、前職の添乗員時代に感じていたバスドライバーたちの雰囲気の良さでした。

バスドライバーたちの雰囲気ですか?

添乗員として色々なバス会社の仕事を担当しましたが、ここだけの話、会社ごとに雰囲気って全然違うんです。バスドライバーとバスガイドの間で全く会話が続いていなかったり、バスドライバー同士が少しピリピリしていたり。

そんな中、ケイエム観光バスの人たちは和気あいあいとしていて添乗員への対応も良かったので、入社するならケイエム観光バスと思っていたんです。実際に入社してから、その選択は正しかったと実感しています。未経験でバス業界に入るなら、職場の雰囲気がかなり重要なんですよ。

未経験には人間関係が特に重要!?どういうことですか?

私が未経験でバスドライバーに転職して一番苦労したことは「道を覚えること」なんです。バスは車体が大きいので乗用車ほど気軽にUターンできませんから、道を間違えると大変です。カーナビは搭載されていますが、大型車が通りにくい経路も提案してくるので参考程度なんですね。自分の頭でバスが通りやすい道路を覚えることが重要なんです。ですが、それって新人バスドライバーにとっては簡単ではありません。目的地までの経路は把握できたとしても、道の広さや敷地への入り方なんて実際に行かないと分からないですから。

敷地への入り方?

施設によっては「入り口が狭くて入れないから出口から入る」というケースがあるんです。

そんなの絶対分からないです!

ですから、経験豊富な先輩から教わるということが大事なんです。先輩にアドバイスを貰うときに、話しかけにくい職場だと気まずくて聞きにくいですよね。

その点、私は大森営業所の気さくな雰囲気に何度も助けてもらいました。先輩たちの方から「明日どこに行くことになってる?」と話しかけてくれるんですよ。仕事が終わって戻ってくると「ちゃんと行ってこれたか?」と気にかけてくれました。「おかげさまで無事に行けました!」と報告して、また新しい情報をもらえたり。

今でも誰かが営業所の待機所で地図を広げているとみんな集まってきます。「ここは勾配がきつくてお尻擦りそうだからゆっくり行った方が良いよ」「この道は狭いから絶対に通るな」といった具合で。

その情報交換はかなり貴重ですね!

現地に行かないと分からないことがけっこうあるんです。私がまだ入社1年のときに、農園でのリンゴ狩りツアーを担当したのですが、バスが目的地についてからUターンするとなった際に、車体が地面に埋まって身動きがとれなくなってしまったことがありました。

え!どうしてでしょう?

そのツアー前日の台風の影響で芝生がグチョグチョにぬかるんでいたんです。15tもあるバスなのでレッカー車でも引っ張れず。結局、違うバスを手配できたのでツアーは問題なく進めることができたのですが、お客さまへの申し訳なさと自分の不注意が情けなくて落ち込みました。

そんなことがあったんですね!

「もうクビかな…」と思っていたのですが、4日後くらいに指導乗務員さんがバスを取りに行ってくれて「よくあんな道に入っていったなー!」と笑って声をかけてくれたんです。先輩たちも「どうした?」と聞いてくれたり、「能津は持ってるな!」と冗談めかしてくれたりして救われましたね。

そんなときにも人間関係の良さが大事になってくるんですね。

失敗も活かし方によっては自分や周りの人の役に立つと思うので、大事な学びです。あの出来事以来、地面の硬さは実際に踏んで確かめたり、雪が降っていたら中に岩が隠れていないか確認したりなど、今まで以上に気をつけるようになりました。この学びも後輩に伝えていきたいですね。

営業所全体でどんどん成長していっているんですね。では最後に、求職者の方へメッセージをお願いできますか?

今まで「設備(洗車・給油・仮眠所、清掃道具など)」「コンプライアンス、バスドライバーへの配慮(シフト・働き方・休みなど)」「職場の雰囲気、人間関係」などの転職の際に確認しておいた方が良いことを色々挙げてきましたが、最も重要なことは自分の優先事項を明確にすることだと思います。何を大事に働きたいかをハッキリとさせて、その希望が叶えられる会社なのかをしっかり見極め、満足のいく転職にできることを応援しています。

観光バスドライバーという仕事は毎日が新鮮です。運転席はバスの中で最も眺めの良いポジションですから、私たちは給料をもらいながら、1年を通じてその季節で最も良い場所に行って四季を感じることができます。毎日違う場所、違うお客さまとの出会いがあり、とても刺激のある楽しい仕事だと思うので、転職の際はケイエム観光バスもぜひ選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか?

能津さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!