「人財こそが会社のブランド」国際自動車(kmタクシー)初の女性管理職が語る教育の重要性

PROFILE.
梶(かじ)さん。国際自動車(kmタクシー)株式会社 人財研修課係長。新入社員として入社後、長年にわたり経営陣の役員秘書を務める。その後、2007年より採用に関わり、現在は人財研修課で係長を務める。国際自動車初の女性管理職として、国際自動車の教育や研修企画等を担当。(取材日:2014年6月25日)

タクシー会社におけるドライバーの教育は、サービスの質の向上につながり、お客さまの満足度に直結します。「教育が会社のブランドをつくる」といっても過言ではないかもしれません。今回は、長いキャリアを活かして、教育の企画や実施に携わっている国際自動車初の女性管理職である梶さんに、国際自動車(kmタクシー)の教育について伺いました。

国際自動車(kmタクシー)に入社後、長年経営者の秘書されていたそうですね。秘書の経験が教育や研修の場面で役に立っていると感じることはありますか?

ありますね。経営者の秘書として、会社として意志決定をする瞬間を何度も間近で見てきて、「自分の考えを持つ事」が大事だと感じました。経営者は、最後は自分自身で決めないといけない局面がたくさんありますよね。そして、なぜその意思決定をしたのかをきちんと説明できます。私も長年、秘書として近くにいるうちに、意思決定に関して自分の考えを持つ事が大事だと気づかされました。ですから、私も人財研修課で研修や教育の企画を考える立場になって、「なぜ、こういう研修が必要なのか」、「どうしてこうするべきなのか」といった、自分なりの理由や考えを周りに伝えられるようにしています。

なるほど、経営者の近くにいた経験があるからこそ、見えてくるものがあるんですね。教育や研修の企画を作っていく上で、梶さんのキャリアが活きたことはありますか?

教育の企画を作るのは、会社の方針や、現場の方々との調整が大事です。その面、私は秘書でのキャリアが長く、経営陣の方々に若い頃からお世話になっているため、教育や研修を企画する上で、秘書時代の人間関係はとても役に立っていると思います。
例えば、2014年の新入社員研修で「50kmウォーク」という企画を初めて行ったんです。この企画は、新入社員がチームごとに分かれて歩きながら、本社や営業所を回って50kmを歩くという企画です。その時、経営陣を含めて国際自動車(kmタクシー)の社員の皆さんには多大なご協力をいただきましたね。途中、役員の方が応援に駆けつけて下さったり、営業所の皆さんに炊き出しをしていただいたり、営業中のタクシードライバーから道中温かい応援をいただいたりと、とても感動的なイベントになりました。

初めての企画ということもあり、社内でもなかなか理解を得られないこともありましたが、「この研修を通して、新卒社員と、現役社員の壁を無くし、振り返った時に新入社員が頑張っていく源になるイベントにしたい」という熱意を伝えました。結果的に、研修課だけではなく役員をはじめ、現場の社員のみなさんがサポートしてくださり、企画を成功させることができました。社内全体を巻き込んでやれたことは、とても嬉しかったですし、やりがいも感じましたね。

全社員で新卒採用に力を入れられることは、とても嬉しいですね!
研修といえば、2014年の1月からは教育・研修を行う赤坂ANNEXビルにホスピタリティカレッジ(現在は東雲営業所内に移転)が立ち上がり、社内の教育を充実させているとの事ですが、詳しく聞かせて頂けますか?

はい、このホスピタリティカレッジは、社長である藤森(取材当時)が「タクシードライバーの為の学校を作りたい」という想いから始まったいわば、「学校」です。タクシー業界ではこうした独立した研修施設があるのはとても珍しい事だと思います。もっと言うと、実際にすでに現場に出ているドライバーに対して、研修施設に集まってもらいトレーニングをすることは、かなり業界的にも珍しいのではないでしょうか。また、それを、研修の教官が行うだけではなく、ベテランのドライバーにも教官として新人ドライバーに研修も行っています。これまで、約半年で300人以上のドライバーの方々に研修を受けていただきました。

また、ただ研修を受けるだけでなく、受講を通して資格もとれるような仕組みをとっています。例えば、車椅子の方の介助方法などを学ぶユニバーサルデザインタクシー(UDタクシー)の認定資格取得が可能ですし、日本国内外から東京を訪れる旅行者に対し観光案内する事ができるシティガイド検定を取れるサポートもしています。やはり、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、国内外からのお客さまに、より上質なサービスを提供できるようになりたい、そんな想いも、kmホスピタリティカレッジが出来た背景にあるのです。

定期的にドライバーの方に研修をするというのは、珍しいことなのですね。

そうですね。どの会社でも新卒社員や中途社員の入社後すぐの教育や研修はあると思います。しかし、国際自動車(kmタクシー)では実際に現役のドライバーに対しても研修を定期的に行っています。それを、研修の教官が行うだけではなく、現場のベテランドライバーが行っています。これは業界的にも珍しい事だと思います。ですが、「人財=会社のブランド」と考えている国際自動車(kmタクシー)では至って当然の事として行っています。国際自動車(kmタクシー)のサービスの質が上がれば、この業界全体のイメージも良くなると思います。なぜなら、東京で走っているタクシーの約1割は国際自動車(kmタクシー)のタクシーですから。そのインパクトは大きいですよね。

そうですね。梶さんは、国際自動車(kmタクシー)ってどんな会社だと思いますか?

昔から国際自動車(kmタクシー)は人間関係が良く、アットホームな会社だと思っています。現場から営業所に帰ってきたドライバーは、まるで自分の家に帰って来たように他愛もない話をして盛り上がっています。また、幅広い年代の方がいて、色んな方とコミュニケーションが取れるのもこの会社の良いところだと思います。皆で協力するという雰囲気や文化もあります。そういった点では、新卒で入ってくる方にとって、とても良い環境で成長出来ると思います。

教育が国際自動車(kmタクシー)の未来をつくっていくということが良く理解できました。今日は貴重な話をありがとうございました!