「タクシードライバーって不健康そう」と思っている方!国際自動車(㎞タクシー)の健康管理の実態をお伝えします

PROFILE.
仲野(なかの)さん。看護師。2014年2月より国際自動車(㎞タクシー)株式会社健康管理室にて勤務。休日は、家族と海で過ごしている。(取材日:2016年7月7日)

「タクシードライバーって不健康そう」というイメージを持たれている方は多いのではないでしょうか?そこで今回は、人財・労務課 健康管理室で社員の健康面のサポートをしている看護師、仲野さんにお話を伺いました!国際自動車(㎞タクシー)の社員が健康に働くために取り組んでいること、社員の健康管理の実態や、元気に長く働いていくためのアドバイスまで、たっぷりとお伺いしてきました!

仲野さん、本日はよろしくお願いします!まずはじめに、健康管理室ではどんなお仕事をされているのか教えてください。

健康管理室では、社員のみなさんが健康で元気に働けるようなサポートをしています。
具体的には、年2回の健康診断の後、再検査や治療等の必要な方について、職場の運行管理者の方々と連携しながら、対応をおこなっております。国際自動車(㎞タクシー)には産業医体制が整っており、毎月20数名の社員と面談をしています。私も同行して、社員の健康状態のヒアリングや健康指導をしています。
あとは、月に1回「健康通信」という健康に関する役立つ情報も発信しています。季節にあった内容で作成し、各営業所で掲示してもらうものなのですが、これは社員のみなさんの健康に対する意識の底上げのために発行しています。
営業所の班長や課長などの管理者から「今度復職するドライバーがいるんだけど、どんなことに気をつけたらいいと思う?」などと相談してくださることもあるので、相談の対応も行っています。

専門のお医者さんや看護師さんからいつでも保健指導を受けられる環境は安心ですね。
タクシードライバーは深夜勤務があるため、健康面を心配する方もいらっしゃると思います。健康管理の現状を教えてください!

タクシードライバーという職業が健康面で不安視される要因としては、1回の乗務時間が長い「隔日勤務」という働き方や深夜に運転する「夜勤」という勤務スタイルがあるからだと思います。
また、車内で仮眠をとるタクシードライバーを街中で目にすることも少なくないので、「タクシードライバーって不健康そう」というイメージが先行してしまっているのかもしれませんね。
国際自動車(㎞タクシー)の健康管理は、様々な企業を見てきた私から見てもとても素晴らしいですよ。

国際自動車(㎞タクシー)の健康管理は、具体的にどんな点が素晴らしいのですか?

まずは、健康診断によって、「再検査や治療の必要あり」となった際に、そのまま放置せずに受診する方が非常に多いということです。これって、当たり前のように感じるかもしれませんが実はなかなか無いんですよ。私が国際自動車(㎞タクシー)にきて一番びっくりしたことです。みなさん健康に関する意識が高くて素晴らしいと思います。
私は、これまで80名くらいのハイヤードライバーの面談をおこなってきました。お客さまは経営者が多いので、朝のお迎えにはじまり夜遅くの会食やゴルフなど、その時々のスケジュールに合わせて動くので比較的勤務時間が不規則な仕事です。ですが、彼らはそれをよく理解しているので睡眠時間の取り方を工夫したり、それぞれみなさん健康にはとても気を遣われていますよ。「大事なお客さまをお送りするのだから自分は健康な状態でいることも仕事である」という責任感とプロ意識を感じますね。
あとは、各営業所の運行管理者たちが社員の健康管理を責任を持ってビシっとやってくださっているのでとても頼もしいです。
各営業所の社長や管理者から「先生!今うちの営業所こういう感じなんだけど、次はどうしていったらいいかな?」などと声をかけてくれる場面も増えてきました。
産業医の先生たちも、「健康の重要性に管理者たちが気づいているという手応えを感じられて嬉しい」と喜んでいるんですよ。

そうなんですね!企業としても、専門家にフランクに相談できる環境が整っているというのは素晴らしいことですよね。
ドライバーや、これからドライバーとして働こうと考えている方々へ、健康に働くためのアドバイスはありますか?

せっかく企業で健康診断を受診しているのですから、ぜひ有効活用していただきたいですね。結果表に書いてある医療機関からのコメントをしっかり読み、心配な部分があれば早めに病院に行き、薬は自己中断せずにしっかり飲むことなど基本的なことを気をつければ大丈夫です。
タクシー業界に特化したアドバイスは、「自分の生活リズムを確立すること」です。不規則な生活を想像されている方もいらっしゃるかもしれませんが、タクシードライバーのシフトは規則的なので工夫しやすいと思いますよ。
例えば、隔日勤務の方も「今日は15時出庫だけど、次回のシフトは19時に出庫」といったことはないんですよ。毎回同じ時間に同じ時間だけ働くので、「自分はこのシフトだから何時に起きて、この時間に出勤して、休憩はここで◯時間とる」などときちんと計画を立てることができます。
他にも、食事の質や量に気を遣ってみるとか、心がけで健康状態は変わりますので、どんどん行動に移してほしいですね。

なるほど、ドライバーとして健康に長く働くことは難しくないんですね!
国際自動車(㎞タクシー)が企業として健康管理について取り組んでいることは何かありますか?

はい、企業としても新しい取り組みを始めています。例えば、採血、心電図検査の対象年齢の追加です。健康診断で採血、心電図検査をするのは、法律では35歳と40歳以上の方のみでした。ですが、病気の早期発見と自分の健康にもっと関心持ってもらうため、25歳と30歳も採血、心電図検査をするようにしたんです。つまり、25歳からは5年おきに、40歳からは毎年採血、心電図検査を受けられるようになりました。
あとは、「安全衛生サポーター」という取り組みも始めました。

「安全衛生サポーター」とは?

現場の管理者はたくさん業務を抱えているので、なかなか社員一人ひとりにまで声をかけきれないことがあります。そこで、各営業所に「安全衛生サポーター」という役割の人をつけて、健康管理を1人の管理者のみが行うのではなく、安全衛生サポーターと共に取り組んでいけるような仕組みにしたんです。
具体的には、2,3ヶ月に一度「安全衛生サポーター会議」という会議を開催して、「健康診断の結果はこう活用しましょう」という話をしたり、「各営業所はそれぞれどんな健康管理をしているのか?」と意見交換するなど、衛生管理者と一緒に安全衛生サポーターが現場で健康のハード面もソフト面もカバーしていけるような指導をしています。
産業医と看護師が頑張るだけでは現場に浸透しませんので、全体で協力しながら取り組んでいくことを大事にしています。

会社の一部署だけが社員の健康管理を担うのではなく、企業全体で協力しながら取り組める体制ができているのは素敵なことですね。
最後に、今後の目標を教えて頂けますか?

上司が言っていることでもあるのですが、「国際自動車(㎞タクシー)に入社したら健康になった!」「タクシードライバーって不健康なイメージがあったけど、会社がしっかり管理してくれたおかげで自分は健康になれた!」と思ってもらえる環境づくりを目指しています。
やはり自分ひとりだけで気づいて、行動に移すというのは難しいことだと思うので、「産業医の先生に言われた通りにしてみたら生活習慣病が良くなった」とか「運動は嫌いだったけど始めてみる気になった」など、そういうきっかけを提供していきたいと思っています。
いま、禁煙外来費用を一部負担する「禁煙キャンペーン」の参加者を募っているのですが、募集をかけたら50名以上の方が手を挙げたんですよ。キャンペーンというひとつのきっかけを機に、禁煙に成功する社員が増えてくれたら嬉しいですね。
先日も営業所で「俺、明日から禁煙チャレンジャーなんだ。だから、これで吸い納めなの(笑)」と話してくれたタクシードライバーがいて嬉しかったですね。
こういうキャンペーンも、企業全体が社員を大事に思っていて「いつまでも健康に長く働いてもらいたい」という思いがあるからこそ実行できたことです。そういう意味では、産業医や私たち看護師にとっても国際自動車(㎞タクシー)は仕事がしやすい環境ですね。これからも、企業全体で協力しながら全社員の健康をサポートしていきたいと思います。

仲野さん、ありがとうございました!