輸入車販売からの転職。日勤タクシーのメリットはその日で完結するところ。

PROFILE.
小林(こばやし)さん。タクシードライバー。国際自動車(kmタクシー)吉祥寺営業所所属。日勤。2014年キャリア(中途)入社。去年の正月は3泊4日で旅行に行くなど旅好き。前職は輸入車の販売。(取材日:2017年2017年12月7日)

タクシードライバーって楽しいですよ

タクシードライバーに転職して気づいたメリットは、1日で仕事が完結するところです。日勤なので朝6時に出庫して夕方17時まで働いたらそれで終わり。次の日に持ち越す仕事が無いから、1日一生懸命やっても気持ちは楽なんです。

タクシードライバーに転職する前は輸入車の販売をしていました。車を売るだけではなく修理や点検などがあるので、一人のお客さまと20年近く関わることもあります。当時はそれが嫌だとは全く感じなかったのですが、タクシードライバーに転職してみると1日でリセットされる働き方も良いなあって思うんです。仕事のおかげで早寝早起きなので、健康にもなった気がします(笑)

前職は激務でその分給料も良かったのですが、輸入車の販売が事業譲渡されることになってしまいました。私は子どももいないし、家のローンも無かったので、これを機に転職しようと思ったんです。タクシードライバーを選んだ理由は、父が個人タクシーをしていたので馴染みがある職種だったこと。それと、この年になって普通のサラリーマン勤めはできないだろうと思ったことでした。

運転の仕事は未経験ですし、地理もそこまで詳しくなかった自分でも仕事ができている理由は、「段階を踏んで道を覚えた」ことと、「無理をしない」ことにあります。

道を覚えるコツは「段階を踏んで、無理をしない」こと

新人タクシードライバーだったときは、営業所を出てどっちに行けばよいのかも分かりませんでした。とりあえず都心に行こうと吉祥寺営業所から新宿へ。手が挙がったらお客さまに道を教えていただいて何とか目的地に向かうという状態です。

そのうち、新宿を起点に道を覚えることにしました。2016年に新宿の南口にバスタ新宿ができる前は、甲州街道沿いにタクシー専用乗り場があったので、下り方面にタクシーをつけてお客さまをお送りするようにしていました。面白いことに、出発地が同じだと目的地も似てきます。そこである程度頻出する経路を覚えました。すると次は、甲州街道の逆側の乗り場にタクシーをつけるんです。

それも慣れてきたと思ったら次の起点をJR東京総合病院に移しました。代々木と新宿の中間くらい場所です。病院にもタクシー乗り場があるので、手を挙げているお客さまはいないかとキョロキョロする必要もありません。

そうして段々と新宿エリアを覚えていきました。タクシードライバーだったら定番の伊勢丹新宿のタクシー専用乗り場に行ったのは走りはじめて半年後だったと思います。

地図もよく確認しましたが、実際に走ったり失敗しないと覚えないですね。新宿駅から新宿2丁目の柳通りまでの経路が分からなかった時は、「近いのに分からないの?」と言われてしまいました。「新人なので」と言えばお客さまはきちんと教えてくれますが、申し訳なかったです。

私が道を覚える時に心がけていたのは、段階を踏むことと、無理をしないことです。最初に全体をザッと覚えた方が良いというタクシードライバーもいますけど、私は少しずつジワジワと広げていきました。自分が楽な方法で良いんじゃないでしょうか。入社して3年経った今は新宿区、渋谷区、港区、千代田区あたりはけっこう慣れました。東京駅より東側や品川の港南口の方はいまだにドキドキするんですけどね(笑)

それでも仕事は面白いです。この前は、14時頃に市ヶ谷の五番町で手が挙がって、駅までのお送りかなと思ったら「国立までお願いします」という予想外の遠距離でした。この時間にそんなところまで!という驚きは楽しいものです。

信用を裏切らない運転を

タクシー車内のお客さまとの会話はやりがいに繋がります。市ヶ谷の一番町から六本木ヒルズまでお送りしたお客さまは、「できるだけで良いので急ぎ目でお願いします」と少し苛立った様子でした。聞くと、お子さまが熱を出してしまったため急遽予定を変更しなければならないとのこと。「旦那が使えないのよ」とおっしゃるお客さまに、「分かります、私も使えない方の旦那です」なんて会話をしつつ目的地までお送りしました。すると最後に「運転手さん、聞いてくれてありがとう」と笑顔を見せてくれたんです。

他にも、伊勢丹のタクシー専用乗り場から新宿駅西口までお送りした女性のお客さまとは、渋滞にはまった車内で色々な話をしました。確かお代は730円ほどだったのですが1000円を頂き「お釣りは良いわよ」と。これだけでも大変ありがたいのに、さらに1000円を出して「これでお茶でも飲んで」と言われた際には驚きました。

更には、「お早うございます!」と大きい声で挨拶すると、「すごい気持ちの良い運転者さんにあたったから、今日は一日気持ち良く仕事ができるわ」と言ってくださったお客さまなど、多くの良い出会いがあります。

親身になって話を聞いたってワンメーター料金が上がる訳でもないですから「無駄じゃないの?」という人もいるかもしれません。ですが、良い接客をすると全体のリズムが良くなる気がするんです。次も素敵なお客さまがご乗車されて、良いめぐり合わせになるんじゃないかなと。

タクシーを運転してると「kmさんが来るのを待っていた」という声をよく聞きます。空車のタクシーが3台くらい通り過ぎた後に手を挙げて「やっと、kmが通りかかった」と喜んでくれる方もいました。ですから、私は運転を通して国際自動車(kmタクシー)の信用や信頼を提供しているんだと思っています。「kmに乗って良かった」と思っていただけることが一番嬉しいです。今後は「どの会社のタクシーでもいいよ」と思っている方でも国際自動車(kmタクシー)のファンになっていただけるように頑張っていきたいと思います。