国際自動車(kmタクシー)には、ジョブトレーニング(以下ジョブトレ)という社内インターンシップ制度があります。今回は新卒でタクシードライバーになり、2018年6月からジョブトレを利用してキャリア(中途)入社の採用活動を行なっている田茂山さんにお話を伺ってきました!
採用課の方々に出会い、心が動いた
現在はタクシードライバーをしている私ですが、就職活動を始めたばかりの頃はタクシー会社に対する興味は全くありませんでした。それどころか「働く」ことにも乗り気ではなかったため、就活にもあまり身が入らず、かなり出遅れている状態でした。授業後に面接があるためスーツで教室に来る学生もいるなか、いつも私服で髪の毛もボサボサだった自分。「ちゃんと就活をやってるのか?」と先生に心配されるほどでした。
さすがにまずいと思って合同説明会に行ってみると、面白いことがありました。ある企業ブースの人事の人たちが、遠くの方から満面の笑みでこちらに手を振っているんです。「誰か知り合いが近くにいるのかな?」と思ってキョロキョロしていたら、それは初対面の僕に向けた挨拶だったんですよ(笑)「会社っぽくないな〜。フレンドリーで面白い人たちだなあ」と企業に対するイメージがけっこう変わりましたね。その手を振っていた人たちが、国際自動車(kmタクシー)の採用課(人事)のメンバーだったんです。
タクシードライバーに対する周囲の反応は?
採用課の人たちと話す中で、タクシードライバーに対するイメージが徐々に変わっていきました。「やる気によっては新卒でも月収30万超え」「連休がとれる」「残業が無い」といった魅力的な労働条件を聞き、「こんな環境だったら働くのも楽しいかも?」と思いました。何より衝撃だったのが、タクシードライバーたちの仕事に対する誇りの高さです。採用課の人たちの中には、元タクシードライバーという人もいます。彼らが「タクシードライバーは困っている人を助ける仕事」「”ありがとう”という言葉が何よりのやりがい」と活き活きと話す姿を見て、いつしか自分も「この会社で働いてみたい」と思うようになっていたんです。
しかし、周囲の反応は予想より厳しいものでした。サラリーマンの父からは「四年制大学を出てタクシードライバーにわざわざなるの?!」と反対されました。最終的には私の気持ちを理解して背中を押してくれたから良かったものの、「反対された」という印象は強く残っています。友人には珍しがられて、笑われることもありました。国際自動車(kmタクシー)に入社当初、そういった意見に上手く言葉を返すことができず、悔しかったことを覚えています。
想像以上だったタクシードライバーという仕事
実際タクシードライバーになってみると、驚きました。タクシードライバーは想像よりもずっと面白い仕事だったんです。採用課の人たちから聞いていた以上の頻度で、「ありがとう」という感謝の言葉をかけてもらえます。終電がない、雨が降っているなど、困っている方は町中にいらっしゃるんですね。お客さまから掛けられるポジティブな言葉がこんなにも嬉しいなんて知りませんでした。当初の情報通り、残業は無いですし、収入は自分が頑張った分だけ結果に反映されます。これも大きなやりがいになりましたね。
やっと巡ってきた魅力を伝えるチャンス
タクシードライバーとして働いて2年が経ったタイミングで、ジョブトレの希望を出しました。課長は快諾してくれましたし、申請する人が多いので社内の手続きもスムーズでした。決まった時は「やっとタクシードライバーの魅力を伝えるチャンスを貰えた!」と思い、嬉しかったですね。
しかし、直面したのはキャリア(中途)採用の難しさです。私が担当するキャリア(中途)採用においては、求職者の大半が私よりも年上で社会人経験も豊富です。面接や説明会で話される内容は、支えなければいけないご家族のことや、経済状況など。時には再就職先が見つからないといったお悩みも伺います。
相手に寄り添いながらも、現実をしっかりと見据えた関わりが必要とされるのが、キャリア(中途)採用。対して私は社会人経験も浅く、転職をしたことすらない。採用課にきて最初の頃は、先輩のように上手く話せず落ち込むばかりでした。私なんかがキャリア(中途)採用に携わって良いのだろうか?!と何度も思い、悩みました。
先輩たちが「仕事に対するプロ意識」を体現している
そんな中、助けてくださったのが採用課の先輩方でした。先輩たちは明るく、気さくで頼れる人たちばかりなんです。
例えば、ベテランの先輩である槐(さいかち)さんは、深いコミュニケーションがとっても上手なんです。求職者の方にお子さんがいらっしゃったら、私だったら年齢を伺って「これから保育園ですね」くらいの会話で終わるところを、槐さんは「写真見せてもらったよ〜!とっても可愛かった!」と踏みこめるんです。実際にやってみると分かるのですが、求職者の様々な事情にどこまで踏み込んでよいのか非常に判断が難しいんです。それを槐さんは自然の流れで、しかもとても楽しそうにできてしまう。
さらに、槐さんには社会人としての基本も教えていただきました。恥ずかしい話ですが、私は何十枚もあるコピーをとっている間、ぼーっとして待っていたんです。「それじゃダメ!!待ってる間に何かしないと!」と槐さんに注意され、ハッとしました(笑)そんな基本的なことすら分かっていない私に、根気強くご指導してくださった槐さんには頭が上がりません。
こちらが槐さん。槐さんの記事『14年間国際自動車(kmタクシー)を見てきた採用担当者が感じる女性採用の変化とは』も併せてどうぞ!
他にもコミュニケーションが得意な先輩はたくさんいます。笑顔が素敵な福島さんは求職者の方から絶大な人気があります。「福島さんを見て憧れて」「福島さんがいらっしゃるなら」と入社される方が多数。人事としてというより、人間としての魅力がとても高く尊敬しています。福島さんには、私が仕事中に緊張していると、すぐに見抜かれます(笑)人のことを見る力が凄いんですよ。
こちらが福島さん。福島さんの記事『「長く働けますか?」「稼げますか?」「未経験でも大丈夫ですか?」元タクシードライバーの人事が全て答えます。』も併せてどうぞ!
そして、白岩さんはタクシードライバー、ハイヤードライバー、管理職といった多彩な経験をされている方です。非常に穏やかで聞き上手なので、求職者の方が話しやすい雰囲気をすぐに作ってしまいます。様々な経験をされているからこそ、相手の気持ちを考え接することが出来るんだと思います。白岩さんのように経験を積み重ねていきたいな、というお手本のような存在です。
こちらが白岩さん。白岩さんの記事『800名を超えるタクシードライバーを見てきた人事が教える、稼げるタクシードライバーの特徴とは?』も併せてどうぞ!
茅根さんにも非常にお世話になっています。いつも笑顔で「頑張れ!」と見守ってくださる気さくな先輩で、慣れない環境で苦戦する私をいつも気にかけてくれました。採用にかける情熱がとても熱く、仕事に対する姿勢が勉強になるんです。
まだまだ先輩たちの魅力は語りきれません。求職者の方のどんな話を聞いても動じずに対応できる裏には、豊富な経験に裏打ちされた「プロ意識」が隠されていたんだと、ジョブトレを経験して知りました。
採用課では、「求職者の方には常に感謝の気持ちを持ち、丁寧にお迎えしましょう」とよく指導されます。それは国際自動車(kmタクシー)の面接を受けるために、時間もお金も使ってくださっている求職者の方々を尊重し、大切に思っているから。採用課のホスピタリティなんだと感じました。先輩たちから多くのことを学ぶたびに、自分には何ができるのか?武器は何なのか?と考えるようになりました。
会社のことをより身近に感じるように
ジョブトレの期間は3カ月しかありません。もう終わりが近づいています。この3ヶ月の間で、かなり沢山の学びを得ることができました。コミュニケーション、仕事の進め方、立ち居振る舞いなど、愛あるお叱りを受けたことで、当初と比べてできることが増えてきたと思います。
ジョブトレによって新たなやりがいを見出すことで、タクシードライバーから職種を変える人もいます。私の場合はまだ分かりません。タクシードライバーも、採用課もどちらも楽しくてやりがいがあるからです。
以前は会社に人が増えても「新しい人が入ったんだな」くらいの他人事でした。しかし、最近では新しく入った方を見かけると「頑張ってほしい!」と強く思うようになったんです。会社に対する思いも深まり、採用課を経験しないと見えない景色が見えるようになりました。
採用という仕事には色々な方の人生がかかっています。国際自動車(kmタクシー)の採用課には、様々な人生に向き合い続けている人が沢山いることを知り、大きな刺激を受けました。今回ジョブトレをして本当に良かったと思っています。自分が入社時に反対されたこと、タクシードライバーを実際に経験して大きなやりがいを感じたこと、そして今回の採用課での体験。それらを織り交ぜて、もっと国際自動車(kmタクシー)の魅力を伝えられるような社員になっていきたいと思います。