話し上手じゃなくても大丈夫?タクシー内のコミュニケーションについて新卒社員にインタビュー!

PROFILE.
有村(ありむら)さん。タクシードライバー。国際自動車(kmタクシー)株式会社羽田営業所所属。2018年4月新卒入社。隔日勤務。趣味はミニカー収集。(取材:2019年1月29日)

今回インタビューするのは、先ほど乗務を終えたばかりのタクシードライバー、有村さんです。

よろしくお願いします。

お疲れのところありがとうございます!何時から何時まで勤務していたのでしょうか?

昨日の15時に出庫して、今日の午前10時までです。

有村さんはタクシードライバー1年目ということですが、もう深夜勤務の生活には慣れましたか?

もとから夜更かしするタイプなのですぐに慣れました。そんなに大変じゃないですよ。帰宅して夜に寝たら起きるのが翌朝10時くらいなので、社会人なのにこんなにのんびりした生活で良いのかな?とたまに思うくらい余裕があります。下手したら大学生のときの方が早起きでした。

確かに10時に起きても次の勤務まで時間はたっぷりありますね。こうしたゆったりした生活ができるのもタクシードライバーになった理由の一つですか?

それもあります。ですが、一番の理由は、タクシードライバーは自分のペースで仕事ができるということです。

自分のペースで仕事ができる、というと?

例えば、乗務中の休憩も自分が好きなタイミングでとることができます。昼12時になったから皆で一斉にご飯ではなく、お腹が空いたら好きなものを自分のペースで食べることができます。その日どこに行くか、どれだけ頑張るかも自由で、誰かに強制されることはありません。同僚や先輩、取引先と一緒に一つのプロジェクトを進めていくという仕事ではないので、かなり気が楽です。就職活動中にタクシードライバーの自由な働き方を聞いたとき、一人で過ごすことが好きでマイペースな自分にとっては非常に働きやすい環境だろうなと思ったので選考に進みました。

実際に働いてみていかがですか?

自分のペースで仕事ができているので居心地の良さを感じています。そのぶん、何か起こったらまずは自分一人で対応しなければいけませんが、完全に一人という訳ではなく、営業所の先輩たちが助けてくれるので心強く感じています。

働きやすい環境なんですね。入社して良かったなと思う点は他にもありますか?

コミュニケーション能力が向上したことですかね。僕は話すのが苦手なタイプで、先ほども言ったように一人で過ごすことが好きです。ですが、社会人として生きていくには物事を円滑に進めるコミュニケーション能力が必要不可欠なので、何とか向上させたいと思っていたんです。国際自動車(kmタクシー)の選考では話し上手な社員さんたちにたくさん出会えたので、この会社に入ったら少しはコミュニケーション能力が上がるんじゃないかと少し期待していた自分もいました。

実際にコミュニケーション能力に変化はみられましたか?

変わったと思います。タクシードライバーという仕事に鍛えてもらって、徐々にですが人と接するのが苦ではなくなってきたんです。

仕事を始めた当初は、ずっと緊張していました。初めてお客さまをお送りしたときは、焦って挨拶以外何も話せなくなってしまったほどです。運転するだけで精一杯で、お客さまに声をかけていただいても頭が真っ白になってしまいました。添乗していた班長がフォローしてくださったおかげで無事に終わりましたが、その後のことはあまり覚えていないくらい必死でした。

そんな僕でも、今では毎回40組程度のお客さまを問題なくお送りできるようになったんです。困難に感じることもありましたが、乗り切れた理由は「タクシーは一期一会だから」という点にあります。

一期一会?

例えば普通の会社で出会う取引先は今後長期的に付き合っていくことが想定されるので、僕の場合はミスを恐れて余計に緊張しまうと思います。一方、タクシーのお客さまは大半がその場一回限りのご縁です。「今だけ頑張ろう!」と目の前のお客さまに集中すれば良いので、気苦労がずっと少なく済むんです。

乗務を始めて半年が経ちますが、色々なお客さまとのご縁がありました。毎回の乗務が社会勉強です。おかげで、現在は以前と比べてだいぶコミュニケーション能力が上がってきたように思います。営業所内でも先輩ドライバーたちとけっこう話すようになりました。

良い変化が生じているんですね。そんな有村さんが接客面で気をつけていることはありますか?

お客さまの状況に合わせた対応をすることです。お客さまの中には、車内では何も話さずひたすらリラックスしたいと思う方も多いです。トラブルを防ぐために僕たちタクシードライバーは経路確認を徹底するように教わっていますが、「コースはどのようにいたしましょうか?」という一言でさえもお客さまのリラックスタイムを妨げる可能性があります。僕自身、あまり話したくないタイプなのでそのお気持ちがよく分かります。ですから、僕は「コースの指定はございますか?」とお伺いするようにしているんです。これなら指定が無い場合は「無いです」の一言で済みます。

些細なことと思われるかもしれませんが、お客さまがタクシーにご乗車されている時間は短い場合で数分です。その数分間をいかに快適に過ごしていただけるかを考えると、こういった小さなことが大事になってくると思うんです。

繊細な気遣いが、車内の居心地を左右するということですね。

お客さまに快適に過ごしてもらうにはどうすれば良いかを、お客さまの反応を見て常に考えるようにしています。僕は会話で積極的に盛り上げていくことは苦手なので、運転やリラックスできる空気感づくりなどの部分で工夫するようにしています。

なるほど、有村さんならではのホスピタリティということですね。では最後に有村さんの今後の目標を教えていただけますか?

目標ですか。うーん、毎回の乗務をしっかりこなすことを大事にしているので、あまり意識していないですが、強いて言えば営業収入(売上)ですかね。土日は7万円、平日は8万円を目指しています。

それは月収にするといくらくらいでしょうか?

40万円前半から50万円弱くらいです。そのくらいコンスタントに稼ぐことができれば満足です。去年の年末けっこう頑張って稼いだので、自分へのご褒美にと携帯を新調したり、実家の車のタイヤを換えたりしたんです。なので、またご褒美ができるくらい今年も頑張ろうと思ってます。

ご褒美楽しみですね!有村さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!