銀行の事務員から女性タクシードライバーへ。夕食を家族みんなで楽しめる生活を維持して成長していきたい。

PROFILE.
河野(こうの)さん。タクシードライバー。国際自動車(kmタクシー)株式会社東雲営業所所属。日勤。2014年10月キャリア(中途)入社。前職は銀行の事務員。27歳の長男、25歳の長女、15歳の次男をもつお母さんで、趣味は子育て支援のボランティア活動。(取材日:2015年5月21日)

早速ですが、河野さんは5年弱銀行の事務員として働いていたんですよね。どうしてタクシードライバーに転職しようと思ったのですか?

「事務の仕事をこれから一生、ずっと続けていくの?」と考えた時、私には出来ないなと思ったんです。17時には帰れる。お給料も安定している。職場も近い。とっても良い環境でした。

でも正直に言えば、仕事にやりがいを感じていなかったんです。銀行の事務は上司から指示されたことをミスなく淡々と、きちっとやる仕事。チームで動くことが多いので周りとのバランスも考える必要があります。それが得意な人にとってはとても良い仕事だと思います。ただ、私は自分で考えて行動するのが好きなタイプだったので、若干の物足りなさを感じていました。

子どもが自立してくるにつれて、もっと自分の力を試してみたいと思うようになったんです。40代後半という年齢のこともあるし仕事を変えるなら早い方が良いだろう。そう考えて国際自動車(kmタクシー)に転職を決めました。

なるほど。仕事のやりがいを重視して転職したということですが、国際自動車(kmタクシー)のタクシードライバーとしてのやりがいは何ですか?

やはり、自分で考えて動くことが出来るという部分ですね。私の場合、東雲営業所を出ると国際自動車(kmタクシー)の専用乗り場を拠点にして、港区や大手町といった都心に向かいます。その過程で、どの道をどんなタイミングで移動すればいかに空車時間を減らし、お客さまを効率的にお送りすることが出来るのか?といったことを考えるのが楽しいんです。朝は会社に遅刻しそうな方が多いので、住宅街を回ってみたり、駅の近くに行ったりと試行錯誤しながら走っています。

タクシーに乗っている間は工夫出来ることが沢山あります。例えば晴海通り。あそこはよく渋滞しますが、やり方次第ではスムーズに行くことが出来ます。空いている車線が必ずあるので、周りの状況をよく観察して探したり、右折待ちで車が止まっているポイントを上手に避けたりすれば進めるんです。

もし渋滞にはまっても抜け道を探す良いチャンスになる、と考えれば何でも練習になります。小さな工夫を考えて実践していくのが凄く楽しいんです。

個人の裁量がとても大きいのもタクシードライバーの良いところですよね。仕事面ではとても楽しんでいらっしゃるようですが、営業所での人間関係はいかがですか?

私が配属された2014年の12月には、東雲営業所には女性タクシードライバーがいませんでしたが、営業所はとても綺麗で女性用の設備なども整っていました。

周囲からは「女性来たの?」「どれどれ」という感じで、最初は視線は感じるけどなかなか話しかけてこない状態があって。後から聞くとどう対応してよいか分からなかったみたいですけど、慣れれば皆さんとても親切にしてくれました。女の子扱いをしてもらって、新鮮でしたね(笑)

分からないことは先輩タクシードライバーたちにすぐ聞けますし、とても良い雰囲気の職場です。今は女性も増えましたし、会社としても女性タクシードライバーを積極的に採用していますよね。

確かに東雲営業所はシャワールームや仮眠室があってとても綺麗ですよね。タクシードライバーというと個人プレーのイメージが強いですが、横の繋がりはいかがですか?

同期とは一緒に成長していこうね、とお互いに頑張っています。ちょうど一緒のタイミングで入った佐藤さんという方が、LINEで「チーム湾岸~切磋琢磨~」というグループを作ってくれたんです。

新人さんを中心に十数名が参加して、お互いの状況を報告したり、情報交換をしたりしています。今日ここに行ったらお客さまが沢山いた、などのデータが溜まると、佐藤さんがまとめてノートにアップしてくれます。

朝起きてLINEを見ると、「どこどこに行っていくら売り上げた」というやり取りが沢山たまっているんです。役立つ情報がいっぱいですし、何より皆のレベルが徐々に上がっているのが分かるので、私も頑張ろうという気になるんです。

皆で励まし合ったり、競争したり、仲間関係がとても充実しています。今の私の気楽さがあるのはこういった営業所の仲間の存在のおかげですね。

お互いに成長していける関係は素敵ですね。最後に今後の河野さんの目標を教えてください。

営業収入(売上)で言うと、1日2万5千円~3万円を出して16時半くらいにさっと営業所に戻ってくるのが理想です。夕食を家族みんなで楽しめる生活リズムを維持していきたいですね。

配属から半年が経った今は、2万5千円の売り上げ目標も割と常に超えられるようになりましたが、始めたばかりの頃は2万円の壁がなかなか超えられませんでした。目的地に行くので精いっぱいで、手を挙げている方がいても素通りしてしまっていたんだと思います。

今では、手を挙げていなくてもお客さまだと分かるようになってきました。横断歩道を渡ったのに立ち止まっている人にはアイコンタクトをするようにしています。すると「分かってくれたの!ありがとう」という雰囲気で最初からご機嫌で乗って下さるんです。そういう方を見るのも大好きなので、もっと成長していきたいと思います。

河野さん、ありがとうございました!