入社2年目で月収70万円。タクシー(運転手)未経験から始めて高収入を実現できた2つの理由とは?

PROFILE.
赤羽(あかばね)さん。タクシードライバー。国際自動車(kmタクシー)株式会社三鷹営業所所属。隔日勤務。2014年4月新卒入社。趣味はフットサル。(取材日:2015年12月10日)

※赤羽さんは現在、世田谷営業所(kmタクシー)で、職員として活躍しています。この記事は赤羽さんがタクシードライバーだった頃のエピソードです。

国際自動車(kmタクシー)のタクシードライバーの平均月収は353,410円。同業他社と比較しても十分高い数字です。そんな中、今回紹介する赤羽さんは新卒入社2年目にして、なんと最高月収70万円(額面)という驚きの数字を叩き出した期待の若手ドライバー。2014年入社の同期113人の中でもトップクラスの実力を誇る赤羽さんですが、大学1年生以来ペーパードライバーで、「運転好きというわけではない」と言います。そんな赤羽さんがなぜタクシードライバーとして成功できたのか?その秘密に迫りました。

月収30万円くらい稼いで良い暮らしがしたい

学生時代から「社会人になったらガツガツ働いて、稼ぎたい!」というタイプだったというわけではありません。就活中に漠然と考えていたのは、月収30万円くらい稼げて、きちんとプライベートも充実させられる良い暮らしがしたいなということです。

稼ぐスイッチが入った瞬間

三鷹営業所に配属されて間もない頃は、日勤という働き方から始めました。初乗務の営業収入(売上)は2〜3千円程度と低かったです。三鷹駅周辺を班長に添乗してもらって訳も分からずウロウロしていただけでした。

2ヶ月目くらいから隔日勤務という夕方から翌日の午前中まで働く勤務形態に変わりました。でも勤務形態が変わったから稼げるようになったという訳ではありません。正直、「早起きせずに済むシフトになって良かった〜」と思っただけでした(笑)当時は3ヶ月の給与補償制度(※現在新卒入社は5ヶ月間)があったので、危機感が無かったんです。

では、「稼ぐぞ!」というスイッチはいつから入ったのかというと、給与補償制度が終わり、その日の営業収入(売上)が給与に直結するようになった日からでした

稼げるor稼げないの分かれ目その1「同期に負けたくない」

今までは同じ時間帯で2〜3万円の営業収入(売上)だったのが、給与補償制度が終わった途端に6万円の営業収入(売上)が出るようになりました。やはり生活がかかると違います(笑)三鷹営業所の同期の大半が同じように金額を上げてきたんです。

同期には絶対負けたくない。これが私の強いモチベーションになりました。私はサッカーを長く続けていたこともあって、かなり負けず嫌いな性格なんです。休憩中も同期と連絡を取り合って、「今の営業収入(売上)はいくら?」と聞いてやる気が途切れないようにしていました。

タクシードライバーって本当に自分次第なんですよ。休みたければ休めるし、誰もうるさく言わないし、本当に自由です。自分はここまででいいや、と思えばそれに見合った収入になります。だから細かいテクニックよりも「気力」でかなり差が出ると思います。

知らないエリアを開拓できるか。1組でも多くご乗車していただけるか。お客さまが見つからなくても粘れるか。そうした意識の違いが数字に表れるのかもしれません。

稼ぐor稼げないの分かれ目その2「いかに効率良く走るか」

とはいえ、気合と根性だけで売上が上がる訳ではありません。「具体的にどうすれば高収入に繋がるか?」というと、「効率の良さ」が分かれ目になると思います。

どうすれば「実車時間(お客さまがご乗車の時間)」を増やせるか?を真剣に考えること。例えば、新宿から練馬にお送りすれば金額は大きいですが、練馬で次のお客さまにご乗車いただくまでにかかる時間はどのくらいかかるでしょうか?夜の練馬は人が少ないので、新宿で多くのお客さまをお送りした方が効率的かもしれません。

私もまだまだ勉強中ですが、こうしたことをきちんと考えて営業しているかどうかが収入の差に繋がるのではないかと思います。そして、入社から1年経ちコンスタントに稼げるようになった頃でした。三鷹営業所の班長に声をかけられたんです。

「夜勤をやってみないか?」

タクシードライバーの働き方は基本的に日勤と隔日勤です。しかし、タイミングが合えば夜勤という「夜の21時から翌朝9時まで最大12時間勤務が可能で、タクシーの料金が割増となる22時から5時の時間帯全てが労働時間になる働き方」ができることがあります。営業収入(売上)を上げるにはまさにもってこいの働き方なんです。

この夜勤をやってみないか、と声をかけてくれたのが鈴木班長でした。鈴木班長は新宿エリアが得意で三鷹営業所イチ営業収入(売上)が高い、とにかく稼げる班長です。

以前、鈴木班長に添乗してもらった時のことです。原宿を走っている最中、急に「ここ、左に曲がって!」と言われました。「何でですか?」と聞くと「お客さまがいらっしゃると思うから」と言うので、訳も分からず曲がってみました。すると、本当にいらしたんです。正直怖かったです(笑)

長年の経験で培った感覚・嗅覚だったり、もともと持ちあわせている営業センスの良さからだとは思うのですが、私はまだまだその領域に達していないので、なぜそこにお客さまがいらっしゃると分かったのか理解できませんでした。

そんな鈴木班長が「赤羽、お前ならできるから挑戦してみろ」と背中を押してくれたんです。普段は冗談ばかり言ってひょうひょうとしている鈴木班長が、自分に期待してくれているんだと感じて嬉しかったです。

夜勤に挑戦してみることにしました。

稼げる夜勤に挑戦した結果

夜勤はめちゃくちゃ楽しかったです。まず、道が混んでいない時間帯なのでストレスが少ないです。21時に営業所を出て、25時までに2万円、朝の5時までに4万円など時間で目標数字を決めて新宿や渋谷、六本木などの都心を走っていました。

夜勤を始めて1ヶ月目の営業収入(売上)は113万円、2ヶ月目で今までで最高となる121万円の営業収入(売上)が出ました。その結果、額面上の月収は約70万円でした。

実を言うと、夜勤を始める時に、「もしかしたら鈴木班長といい勝負ができるんじゃないか?」と思っていたんです。頑張ったら、鈴木班長の営業収入(売上)を抜けるんじゃないかって。

ですが、私の1日の平均営業収入(売上)5万円に対し、鈴木班長は6万円。・・・なめていましたね。この世界に入れば分かりますが、1万円の差はかなり大きいんです。

「流れがある」って鈴木班長はよく言いますが、本当にあるんです。良いコース取りができて、お客さまが繋がる良い流れに乗っている日があるんです。意識的に流れに乗ることがまだできないので、自分はまだまだです。

でも、夜勤を始めたことで営業収入(売上)のランキングが上がったんです。鈴木班長がわざわざランキングを見せてきて「頑張ったな」と言ってくれました。嬉しかったですね。

今後について

タクシードライバーとしての仕事も面白いし、今の私は企画にも興味があるんです。幸い、現在は本社に出向中なので採用や事務の仕事などドライバーとはまた違った貴重な経験ができています。今後はオリンピックに関わる企画の仕事にも携わっていきたいと思っています。色々なことにチャレンジしていきたいですね。もちろんドライバーとしても手は抜かず、営業収入(売上)はもちろん、接客の質の向上や後輩へのアドバイスやフォローなど更に上を目指していきたいです。

新卒で入社した赤羽さんはタクシードライバー(運転手)から営業所職員に転身し今も活躍中です

国際自動車(kmタクシー)の職員として活躍中!前回取材から7年、赤羽さんの職種変更と新たな目標