タクシードライバーに仮面就職をしたバンドマンに7つの質問。「本当に自分の時間はとれるの?」

PROFILE.
安田(やすだ)さん。タクシードライバー。国際自動車(㎞タクシー)株式会社羽田営業所所属。2015年新卒入社。隔日勤務。趣味は読書や映画鑑賞。バンド「安田ボンバーExplosion」ボーカルとして活動中。(取材:2016年3月14日)

皆さんは国際自動車(kmタクシー)が2015年から始めた「仮面就職」採用をご存知でしょうか?やりたいことが見つからない、やりたい仕事はあるけど企業とのマッチングが叶わなかったといった悩みを抱えている就活生を応援したい!という想いから始まったこの異色な採用方式は現在、多くの才能溢れる学生の夢をサポートしています。今回は、その仮面就職をきっかけに国際自動車(㎞タクシー)に入社し、タクシードライバーをしながらバンド活動を続ける安田さんにお話を伺いました!

1.安田さんがどのように就職活動を行っていたのか教えてください。

実は私は大学に8年間在籍しておりました。大好きな音楽活動を続けたかったのと、社会に出て普通の仕事をして働くというイメージが持てなかったのが原因です。音楽一本で生活していくことは難しいと思うようになったので、就職を決意して就職活動を始めました。
就活の軸は「時間の融通がきく仕事」という一点でした。ホテル業界や築地の仲買などの朝が早い仕事や、シフト制で働ける企業を中心に見ていました。

2.国際自動車(㎞タクシー)に入社した理由を教えてください。

合同説明会で国際自動車(㎞タクシー)を知りました。私は静岡大学出身なので、担当者の方に「どうして東京で働きたいの?」と聞かれたんです。音楽活動を東京でしたいと正直に話すと、「ぜひ君の夢を応援させてほしい」と言ってもらえたんです。その一言で覚悟が決まりました。
タクシードライバーはシフト制ですし、1回の乗務で2日分働くことができる隔日勤務があるので時間の融通もききます。夢を追いたい自分にはぴったりだと思って入社を決めました。

3.実際に入社して、音楽活動の時間はきちんととれていますか?

こんなに時間が自由になるとは思っていませんでした。私は夕方15時に出庫し、翌日の昼11時に営業所に帰ってくる働き方をしています。仕事が11時に終わった後は昼御飯を食べて帰宅し、自宅で曲作りを行っています。友人のライブを見に行くこともできますし、スタジオ練習がある時は20時半から22時半までバンドメンバーと集まることもできます。月1回のペースでライブができていますし、個人の活動である弾き語りの時間も取れています。多い時は月に5回から6回行っているんですよ。

4.国際自動車(㎞タクシー)で働きながら音楽を続けるメリットは何ですか?

まずは高い給与ですね。音楽活動の資金が必要なのでできるだけ稼ぎたいと思っている私には、頑張った分だけ給与が反映されるタクシードライバーが合っています。友人の結婚式で同世代の友達と会うと給与の話になるのですが、タクシードライバーってそんなに稼げるの?と驚かれます。残業が無いので、予定も立てやすいですし、仕事が終わった後は音楽のことにだけ集中できるのも魅力です。
以前、自主企画でライブを開催したのですが、フリーターだったらあそこまで大きなライブはできなかったかもしれないです。自分たちを含め6組のバンドを集めて、50人規模のライブハウスで演奏しました。その時に初めてCDも作ったので、レコーディングの時間や練習時間、諸々の費用を考えるとタクシードライバーとして働きながらだったからこそ成功できたのだと思います。

後は、お客さまと直接関われるということもメリットの一つです。音楽だけの世界にはまると視野が狭くなってしまうので、男女問わず幅広い年齢のお客さまと接することで音楽の幅が広がったと思います。入社後の研修で、50キロを歩くものがあったのですが、それをもとに曲を作ったこともあるんですよ。『ナイトウォーク』という曲で、大変な時は仲間で協力して頑張ろうという想いを込めて歌っております。

5.営業所で一緒に働く同僚たちからの理解は得られていますか?

課長や班長、同僚たちが応援してくれるので助かっております。バンド活動を隠さずに、堂々と夢を追える環境なのでとても居心地が良いです。ライブをやると私の採用に携わっていた人財採用課(人事)の方たちが来てくれるのが嬉しいですね。良い人財を採用できて良かったと思っていただけるように、タクシードライバーとしても頑張りたいです。

6.お客さまと接する時に心がけていることはありますか?

言葉選びには気をつけています。タクシードライバーは運転することも大事ですが、経路確認の際などに自分の考えを上手く伝えることも重要な作業だと思うんです。「この先の交差点をまっすぐ行って、その先にある白いマンションを右に」など、お客さまがイメージしやすい表現を心がけております。

これはバンドのボーカリストとしても通じる部分だと思っています。私は曲作りも行っているので、聴いている人が歌詞の内容を頭にすうっと思い浮かべることができる言葉を選ばなければいけません。自分が思い描いていることと相手が思い浮かべることの差を小さくし、分かりやすく伝えるように努力しております。

7.最後に、就活中の学生にメッセージをお願いします。

就職活動で悩んだときは、この言葉を問い直してほしいと思います。
“あなたの本当にやりたいことは何ですか?
本当にやりたいことを胸の中に押しとどめていませんか?
もしも今選考中の企業で何かが違うと感じていたら、その違和感を大事にしてほしいと思います。その「何か違う」とは何なのか?給与や労働時間などの条件なのか、その会社のビジョンなのか、本当は違うことに興味があるのか、など色々浮かんでくるものをじっくり考えてほしいです。

そして、その違和感を大切にしたまま、様々な企業を見に行くと良いと思います。例えば国際自動車(㎞タクシー)の説明会に参加すれば、週5日働くスタイルとは異なる働き方があり、業界変革に燃える若い人財が活躍していることを知ることができます。その積み重ねが視野を広げることに繋がります。
もし、やりたいことがあるけれど、生活を考えると諦めるべきかもしれない・・・と不安に思っていることがあるならば、仮面就職に挑戦してほしいです。好きなことを追求することと、安定した生活は両立することができます。可能性を自分で狭めずに、もっと自由に働く選択肢もあるのだと知ってほしいですね。