24歳で100名以上のタクシードライバーを支える新卒の女性班長。「頼ってもらえる存在になりたい」

PROFILE.
成毛(なるげ)さん。タクシードライバー。国際自動車(kmタクシー)株式会社東雲営業所所属。2015年4月新卒入社。2016年11月より、東雲営業所では初の新卒女性班長に抜擢される。趣味は映画鑑賞、音楽鑑賞。(取材日:2016年1月19日)

今回取材するのは、東雲営業所で初の新卒女性班長に抜擢された成毛さんです!

よろしくお願いします。

現在24歳の成毛さん。班長に就任されたのはいつですか?

2016年11月18日からなので、班長になって2ヶ月ほど経ちました。私が所属する1課1班は110名弱のタクシードライバーがいるので、今は皆さんの顔と名前を一致させるよう必死に頑張っています(笑)

100名以上のドライバーを束ねるのは大変そうですね!成毛さんにとっては殆どの方が年上ですよね。

父親より年上の方もいらっしゃいます。でも皆さんすごく気さくで、営業所を歩いていると「おっ!成毛班長〜!」とにこやかに話しかけてくださるので助かっております。

素敵ですね。成毛さんはどうやって班長に選ばれたのでしょうか?

東雲営業所の班長の選び方は独特で、選挙を行います。内勤の職員、班長、社長が候補者に投票して多数決で決めるんです。独断ではないので、みんな納得しますし「自分が選んだのだから責任を持って育てよう」という意識が働くのでこのシステムになっているんです。

へえ〜!成毛さんが選ばれた理由はご存知ですか?

ハッキリとは聞いていませんが、新卒で女性の班長は今まで東雲営業所にいなかったので将来性を期待していただいたのだと思っております。それに、営業所に配属されたばかりの時の所信表明挨拶で「成毛です。今後は班長になりたいと思っています。よろしくお願いします」と言っていたんです。

ええ!すごいやる気ですね!

働くなら上を目指していきたいなと思って言っちゃいました。「成毛が班長になりたいと言ってくれて、実は嬉しかったよ」と周囲から言ってもらえて嬉しかったです。正直なところ、かなりプレッシャーは感じているんですけどね(笑)

入社2年目で班長は大抜擢ですもんね!

自分がドライバーの時は班長ってとにかく「すごい人たち」というイメージだったんです。ドライバーのちょっとした顔色の変化に気づいて声を掛けたり、営業方法の相談にのったり、休憩場所を教えたり、モチベーションを上げたり、時には厳しいことを言って育てたり、自身の成績が凄く良かったり。何を聞かれてもすぐに答えて頼れる存在が班長でした。

成毛さんもドライバー時代にお世話になったことが?

数え切れないほどあります。1人で乗務を始めて3日目の時に、黄色い線で車線変更をして人生初の交通違反をしてしまったんです。営業所に報告をした時はすごくパニックになってしまったのですが、班長と話をしているうちに落ち着くことができました。こうやってお話するとただの報告ですけど、私が気持ちを切り替えるまですごく丁寧に話を聞いてくれたんです。「もちろん反省はしてほしいけど、落ち込んじゃだめだよ」と気遣ってくれました。

ドライバーのメンタル面のケアも班長の重要な仕事なんですね。

そうですね、仕事のやり方は班長によって様々です。2課の藤森班長という方はまだ30代ですが、年上のドライバーにバシッと注意したかと思えば、新人向けの朝会では新人の悩みをユーモアを交えて解決してくれるなどいつも凄いな〜と思っております。

個性が活かせる環境は素敵ですね。成毛さんはどんな班長になりたいですか?

信頼される班長です。
今は「新卒で女性だから」可愛がっていただけている気がするんです。有り難いことですが、ちゃんと班長として実力をつけることで「成毛班長に聞けば何とかなるよ!」と頼りにされる班長を目指しています。マニュアル通りの対応では何を伝えても響かないので、自分の経験からモノを言える班長になりたいですね。たまに新人の悩みで「お客さまをお送りするのが怖い」と聞くんですけど。

そういう時はどんなアドバイスを?

「お客さまをお送りするのが怖い」というのは、よく聞いてみると「お客さま全員が怖い」のではないんです。たまたま対応の失敗が続いてしまったのか、自分の接客に問題があるのか。前者では切り替えが大事ですし、後者ではもう一度自分の対応を挨拶から見直してみる必要があります。

漠然とした相談を細分化して解決策を見つけていくんですね。

タクシードライバーは接客業ですから、苦労することも時にはあります。話を聞いてもらうだけでも楽になると思うので、私も帰庫後に積極的に皆さんに話しかけるようにしております。でも、タクシードライバーの仕事は大変なことばかりではなく、「頑張ってね」と声をかけてくれるお客さまもとっても多いんです。
一年前の冬に六本木から銀座までお送りした女性のお客さまも仕事を応援してくれた1人でした。娘さんが私と同世代だったので、話が盛り上がり、「またあなたのタクシーに乗りたいから、名刺をちょうだい」とおっしゃっていただけたんです。

それは嬉しいですね!

実際に連絡を何度か頂いたのですが、タイミングが合わずに結局1年が経ってしまったんです。「もうご縁が切れてしまうのかな」と心配していたら、なんと昨年1年越しに再び連絡が来てお送りすることができたんです。

ええ!1年越しですか!

「娘と同い年で頑張っている成毛さんのタクシーにもう一度乗りたかったの」とおっしゃっていただけた時は嬉しかったですね。今後も機会があればお送りすると思うので、一つ一つの縁を大切にしていきたいです。班長としてタクシードライバーの楽しさも伝えていきたいと思います。

素敵です。では、最後に今後の目標を教えていただけますか。

班長になってまだ日が浅いので大それたことはできませんが、任命していただいたことで会社のために貢献できる人になりたいという思いが更に強くなりました。班長は現場のタクシードライバーかつ、組織の管理職という二面性を持っている調整役です。挑戦しがいのある立場なので、両者のバランスを上手くとって皆が働きやすい環境をつくっていきたいと思います。