飲食業から転職し、タクシードライバーという天職に出会った運転手「困っている人を助けたい」

PROFILE.
梅川(うめかわ)さん。タクシードライバー。国際自動車(kmタクシー)株式会社東雲営業所所属。隔日勤務。2014年4月キャリア(中途)入社。前職はアパレル企業や飲食業、建設業を経験。趣味は旅行。(取材日:2015年1月19日)

梅川さんは乗務が始まると、まずは、km専用乗り場のある病院へ向かうと伺いましたが、それはどのような想いからなのでしょうか?

例えば聖路加国際病院や三井記念病院など、都内5箇所の病院に国際自動車(kmタクシー)専用の乗り場があるので、1日の乗務が始まったらまずそこへ向かうようにしています。

タクシードライバーにとって、1日の中で最初の1人目をいかに早く見つけるかというのは大切です。営業所を出てしまえば基本的には自分の判断で動けるので、悪い言い方をすれば、サボろうと思ったらサボれてしまう。そういったタクシードライバーの気持ちが、営業収入(売上)にダイレクトに影響してくるので、まずは確実にお客さまとお会いできる場所に行くことで1日のリズムを作り出すようにしています。

国際自動車(kmタクシー)の専用乗り場は、伊勢丹新宿本店や、ロイヤルパークホテル、など病院の他にもあると思うのですが、それでも「病院」にこだわる理由はなんですか?

いい質問ですね。病院へ向かう理由は明確です。それは困ってる人の力になりたいからです。病院からタクシーを利用するお客さまは、何かしらで困っている方が多いです。

なので、そういうお客さまに対してしっかりとドアサービスをしたり、足の不自由な方だったらご乗車のお手伝いをさせていただいています。乗車後は、車内の空調の調整、揺れへの配慮などを通してホスピタリティを心がけています。そんな中で、降車時に「ありがとう」と言われると、「タクシードライバーをやっていてよかったな」と心から感じられて幸せです。

梅川さんのホスピタリティへのこだわりのようなものを感じられるのですが、ホスピタリティを目指すキッカケはあったのですか?

前職時代にたまたま手にとった一冊の本がキッカケです。それは、『山奥の小さなタクシー会社が届ける幸せのサービス』という本でした。

山梨県にある「お客さま第一、利益はその次!」という理念を持ったタクシー会社であった、お客さまとの心温まる実話が載っているのですが、それを読んで「タクシーってこんなに素敵な職業なんだ!」と思ったのがキッカケです。

私は、大学を卒業したあと、アパレル業を8年、飲食業を15年、建築業を7年やってきました。衣食住のすべてに関わって仕事をする中で、どの業界であろうと共通する大切なポイントが見えてきたんです。それは、ホスピタリティが大切ということ。相手を思いやる気持ち、社会や人のためになりたいという気持ち。これがなくては仕事はできません。

前職は、自分が共感していた「お客さまを大切にしていく」という方針から、会社の規模が少し大きくなったことで利益第一主義の会社へと変わってしまいました。私は、仕事においては幸せややりがいを優先したいと思っていますので、転職を決意しました。

その時に、『山奥の小さなタクシー会社が届ける幸せのサービス』のことを思いだしたのです。さすがに山梨で就職することは考えていませんでしたから、東京でホスピタリティの実現を目指しているタクシー会社ってないのかなって探していたら、見つけたんです。それが、国際自動車(kmタクシー)との出会いでした。

困ってる人を助けたくてタクシードライバーを選んだというわけですね!

その通りです。ビジネスですから、営業収入(売上)を上げなければいけないという部分をもっていますし、営業収入(売上)がなければ私も食べていくことができません。

大切なのはバランスなんです。私は、出庫してすぐ病院に向かいます。確実に困ってる人の力になれますし、自分のホスピタリティスイッチみたいなものがONになる。その気持ちをキープして、あとは通常の業務をします。

ホスピタリティとビジネス。その両立を目指すのは、自分の満足、やりがい、幸せのため、というのが大きいですが、一方であくまで個人的な見解として、中長期的に考えたときにホスピタリティを大切にするという行動は、国際自動車(kmタクシー)ブランドを持続、向上させる上で大切な要素だと思うんです。

タクシー会社の持続可能性・・・興味あります!

タクシーは景気の波に左右される職業なので、良い時もあれば悪い時もあります。

しかし、景気に左右されず、確実にタクシーを必要としている人はいます。ご高齢で足腰が悪いお客さま、病気で電車やバスなどの移動手段が使えないお客さま。そういう人たちを常に大切にしていって、「国際自動車(kmタクシー)さん、いつもありがとう」とおっしゃってくださる人、つまり国際自動車(kmタクシー)のファンを増やしていければ、景気に左右されることなくいつもお客さまをお送りすることができます。

お客さまから「国際自動車(kmタクシー)さんを待ってたんだよ!」と言っていただけることもありましたし、そういう瞬間は先輩たちが作り上げてきてくださった国際自動車(kmタクシー)ブランドの上に成り立っています。だから、私も後輩たちのために国際自動車(kmタクシー)ブランドを作っていきたいのです。

…と、偉そうに語りましたが実は、これもさっき紹介させていただいた『山奥の小さなタクシー会社が届ける幸せのサービス』に書いてあったんですよね(笑)

でも、それを実際にやっている会社があるということは、僕らにだって出来ると思うんです。

もちろん、動機は「困ってる人の力になりたい」というところからはブレないのですが、青臭さとしたたかさというか、両方兼ね備えてやっていく中でお客さまから感謝してもらって仕事内容で満たされて幸せになるし、お給料もちゃんともらえる。しかもそれが、会社のためになるという所があるのだったら、やらないという選択肢はないかなと思っています。

貴重なお話、ありがとうございました!