30歳を目前に未経験でタクシードライバーへ転職した私が女性にこそオススメしたい理由

PROFILE.
林さん。タクシードライバー。国際自動車(kmタクシー)株式会社世田谷営業所所属。隔日勤務。2016年8月キャリア(中途)入社。前職は鉄道会社で勤務。趣味は山登り。(取材日:2018年1月30日)

現在女性タクシードライバーとして活躍されている林さん。30歳を目前にして未経験の世界に挑戦された、その経緯を聞いてきました!

林さんは鉄道会社勤務から、キャリア(中途)入社でタクシードライバーになられたとのことですが、転職の経緯は何だったんですか?

大学で観光学を学んでいたので旅行業界に興味があり、鉄道会社で5年間勤務しました。その後グループ会社で羽田空港の鉄道の窓口で、外国から到着されるお客さまをご案内する部署で働いていました。その頃は朝から晩まで働いていて、肌が荒れて、疲れ顔だったと思います(笑)不規則でお給料が自分の成果として反映されることはあまりなく、続けていくのは難しいと思い、30歳前に転職を決意しました。

30歳を目前にして仕事について考えられたんですね!もともと車や運転がお好きだったんですか?

全然好きではなかったです。(笑)全くのペーパードライバーでした。大学時代に運転免許を取ってから、10年間ほぼ運転をしていない状態でした。

そこから国際自動車(km)のタクシードライバーを選ばれた理由が非常に気になります!

きっかけは他社ですが観光タクシードライバー募集の広告を見たことでした。観光案内が出来て、運転が出来るようになったら色々なところへ行けるようになるし、人生の幅が広がるのでタクシードライバーもいいなと思い、探すようになりました。そこでちょうど国際自動車(kmタクシー)のカフェセツ(カフェで行う会社説明会)があって。タクシー会社=「男性の職場」というイメージを持っていて、行くのに勇気がいるなと感じていたのですが、カフェでなら行きやすいと思い、参加しました。

カフェセツに出てみてどうでしたか?

そうですね、その日にタクシードライバーのイメージがかなり変わりました。人事の男性と話したのですが、その方もドライバー経験のある方で。新卒や女性の採用を積極的に行っていること、ご自身の転職経験を話してくださいました。家族との時間をたくさん持てるようになって、「転職して本当に良かった」と話されていました。雰囲気が柔らかく、とても優しい口調で丁寧に話を聞いてくださる方で、タクシードライバーって素敵な職業なんだなってイメージが格上げされて、ここで働いてみたいと思いました。

運転は不安ではなかったのですか?

とても不安でした。東京の道も知らないですし、運転自体が難しいのにましてやお客さまの命を預かってお送りするなんて想像もしていませんでした。不安と期待の半々の気持ちで挑みました。

そこからタクシードライバーへの道が始まったのですね!

入社してからも「本当にできるのかな」という不安がずっとあって、その不安をかき消す為に練習をしましたね。研修と併せて、レンタカーを自分で借りて、車通りが少ない工業地帯で深夜に運転をしました。曲がる時はどれだけハンドルを切るのか、アクセルの踏む深さ等を体に覚えさせました。

真夜中の練習!運転上達への努力が垣間見えますね。

今思い出すと、デビューをしてからも運転することにいっぱいいっぱいだったと思います。実は私、他のドライバーより長く班長に同乗してもらっていたんです。班長は思うように出来ず泣きそうになる私を、隣で励ましながらつきっきりで私の気の済むまで運転を指導してくださいました。

努力を後押ししてくれる上司がいるって素晴らしいですね!

あんなに運転ができなかった自分をよくここまで育ててくださったなと本当に感謝しています。あとは同期や先輩にも凄く助けられました。同期は性別も年齢も様々で、上は50代、下は20代、私が最年少です。営業収入(売上)のいい同期が休日や明け番の日に車を出してくれ、地図を片手に勉強会をしてくれました。先輩も声をかけてくれて、お客さまが多いポイントや、街中のお手洗いの場所を共有してくれました。それが凄く役立って、自分一人で勉強するのではないんだな、と感じ嬉しかったです。自分の時間を惜しみなく使って丁寧に教えてくれる人がたくさんいました。

運転は一人一人バラバラでも、共に高め合える仲間がいるんですね!

そうなんです、働いている時は別々ですが、日々連絡を取り合い「ここのホテルで大きなパーティーが終わってお客さまがたくさん帰られる」などの情報や、売上が良かったことも共に喜び合っています。女性専用の休憩室もあり、綺麗で居心地が良いですよ。明け番で帰ってきてシャワーを浴びて仮眠を取って帰る人もいます。一緒にテレビを見て世間話をしたり、地図を広げて情報交換もしています。みんな出勤時間は違うんですが、気さくに話せる間柄です。

休憩室はリラックスできる空間と話されていました。

他にもタクシードライバーのオススメの点はありますか?

タクシーの仕事はもちろん安全と法令を守ったり、社内のルールもありますが、ハンドルを握ってどこに行って、何をするか、どんなアクションをするかはドライバー次第です。お給料も頑張り次第で稼ごうと思えば稼げますし、培ってきた経験、戦略が全部ストレートに結果として出てくる仕事です。まさに成長も成果も自分次第で、転職前には感じなかった自由と切り開くやりがいと面白みを感じています。「今日は思い切りたくさん走って稼ごう!」「新しい作戦を試そう!」「今日は自分のペースでゆっくりと回ろう。」など、日々いろいろな挑戦をしています。そして女性にこそ勧めたくて、友達に本当に勧めていますよ!

女性にオススメの理由を詳しくお聞かせください!

同世代の友達だと、「やっぱり子供がいると、仕事量も責任も調整しながら、会社の人にすみません、すみませんって言って働いている。」という話を聞きます。タクシードライバーは仕事量の調整は自分次第です。実際に世田谷の営業所では子育てをしながら働いているお母さんがいます。仕事中の休憩時間の合間を縫って授業参観に出たり、保育園の迎えをしている話も聞きます。子育てと仕事のバランスを取った働き方をしている先輩がいるのは心強いです。私は今独身なので、隔日勤務で夜もバリバリやっていますが、家族ができたら日勤に変更するなど、生活に合わせ調整が可能です。長く働けられる仕事だと思います。

ライフスタイルに合わせた働き方ができるんですね!他に働いていて良かったことはありますか?

まずは毎日大変だけど、とても楽しいです。日々私が助けていただいているのにお客さまに「ありがとう」と言って頂くことが嬉しく、お客さまとはお互いに「ありがとう。」という気持ちで別れている感じがします。日々作り笑いでなくて、心からの笑顔で感謝の気持ちを持てていると実感しています。転職前から考えたら本当に想像がつかないですね。まさか私が運転をするなんて、自分も周りも思っていませんでした。30歳を目前にした新たな挑戦は、今のこの日につながっていたんだと思っています。

林さんのように新しいことに挑戦された方がいるのは、これからタクシードライバーへ転職を考えている人に非常に心強いですね!最後に、今後の目標をお聞かせいただけますか?

まだ覚えられていない道も多いので、まずはタクシードライバーとしての経験を更に積み、成長したいです。そしてゆくゆくは観光タクシードライバーになれたらいいなとも思っています。来年東京観光タクシー認定ドライバーになる為の試験を受ける予定です。あとはタクシードライバーの仕事の良さをもっと多くの方に知っていただきたいですね。まだ女性のタクシードライバーはお客さまにとって珍しいようで、「若いのに何でこの仕事についたの?」と好奇の目で見られることも多いです。しかし私はそうではなく、タクシードライバーは女性にとって働きやすくて、やりがいを持てる仕事だと思っています。タクシードライバーとして働く楽しさを、日々笑顔を振りまいて伝えられる人になりたいです。

林さん、貴重なお話をありがとうございました!これからも応援しております。