新卒タクシードライバーが先輩添乗で学んだ稼げるテクニックとは

PROFILE.
野原(のはら)さん。タクシードライバー。国際自動車(kmタクシー)株式会社三鷹営業所所属。隔日勤務。2015年4月新卒入社。社会学部出身。趣味はスポーツ観戦や旅行。(取材日:2017年8月9日)

野原さんはどうして新卒でタクシーのドライバー(運転手)になろうと思ったのでしょうか?

タクシードライバーという仕事が自分に向いているだろうと思ったからです。タクシードライバーは仕事の大部分を自分の裁量で決めることができます。営業可能エリアであればどこに行っても良いですし、乗務中にいつどんなタイミングで休憩をとるかも自由。他人の指示ではなく自分の考えをもとに行動できます。働きやすいと思いませんか?

確かに主体的な行動が求められる代わりに、自由度が高い点はベンチャー企業みたいですね。

母親は「タクシードライバーは他の職業に就いてからでもできるんじゃない?」と浮かない顔でしたが、私は自分のやりたいことをやるのが一番だと思っていたのであまり迷わずに国際自動車(kmタクシー)への就職を決めました。

逆に、主体的に行動する力を若いうちに身に付けておくと良いかもしれないですね。

そうですね。ですがタクシードライバーになってすぐの時期は、営業所を出てもどこを走ったら良いか全く分かりませんでした。

最初はあまり稼げなかったということでしょうか?

三鷹営業所に配属された直後は日勤で働いていたのですが、その時は「始めたばかりにしてはよく頑張っているね」と評価していただいていました。新人や運転に慣れていない人は営業所周辺ばかり走り、渋谷区や新宿区などいわゆる稼げるエリアにはあまり行かないようですが、私は早く都心に行きたいと思っていたのでその差のせいかもしれません。ですが、隔日勤務に切り替わってやっと仕事に慣れてきたところから営業収入(売上)が伸び悩んできたんです。

せっかく夜や割増料金の時間帯(22時〜5時)に営業ができるのにどうしてでしょう?

最初は同期と営業収入(売上)を競い合うことをモチベーションに稼げそうなエリアを営業していました。ですが、当時の私は経験不足のためにテクニックや戦略をあまり持っていなかったんです。やみくもに走ってもある程度の数のお客さまをお送りすることはできますが、営業収入(売上)を一定ラインまで上げるためにはきちんとした戦略が必要なんです。

その戦略はどうやって手に入れるんですか?

私は先輩から教わりました。三鷹営業所では新人タクシードライバー向けに先輩による添乗教育が行われています。社用車に先輩1名と新人タクシードライバー2〜3名が乗り、アドバイスを貰いながら都内を中心に朝から夕方まで走ります。この教育のおかげで営業収入(売上)が月単位で5,000円以上アップしたので、かなり有難かったです。

5,000円はかなり大きいですね!どんな戦略を教わったんですか?

基本は時間帯によって変わる営業エリアについてです。お客さまの多いエリアや単価が高い仕事ができるエリアは時間帯や時期によって変わります。港区、渋谷区、新宿区を中心に実際の人の流れを掴んでいきました。後は、細かいテクニックですね。

タクシードライバーが営業収入(売上)を上げるためのタイミングはかなり気になります!

「信号待ちは先頭で」というテクニックはよく聞くと思います。先頭のタクシーと2台目のタクシーでは、明らかに先頭のタクシーの方がお客さまがご乗車しやすいからですね。そうはいっても、信号の度に先頭で止まるってけっこう難しいんですよ。主要な道路やよく走る道にある信号は変わるタイミングを覚えることができますが、初めての道は把握しようがないですから。

確かに。交通量が多い道だとコントロールできなさそうです。

それに対して先輩が教えてくれたのは、いったん脇にタクシーを寄せて信号が赤に変わるまでの時間を調整して先頭に出るというテクニックでした。

なるほど!確かに黄色から赤になるタイミングはどの信号も同じでしょうから、ある程度読めるんですね。すごいですね(笑)

細かい話なんですけど、そういうちょっとしたことを抜け目なくやる人が稼ぐことができるんです。先輩は「ここまでやるんだ!」と思うほど車線取りや走り方に気をつかっていましたね。

きっと、そういった姿勢を見て野原さんの中の基準も一段階上がったんでしょうね!

気を抜かずに工夫し続けることの大切さを学びました。先輩の添乗が無かったらずっと自己流で営業を続けていて今ほど稼げなかったと思うので本当に感謝です。三鷹営業所では年の近い新卒の先輩タクシードライバーが添乗してくれることが多いので、新卒未経験でタクシードライバーになっても安心だと思います。

タクシードライバーは一人で考えることが多い職業だからこそ、横の繋がりが大事なのかもしれませんね。

そうですね。横の繋がりといえば、同期の存在は仕事のモチベーションに繋がります。世田谷営業所に配属された同期とは休憩中に電話してお互いの営業収入(売上)を報告し合っています。仕事で辛いことがあった時も同期に話して解消できますし。

なるほど。では最後にタクシードライバーに就職を考えている学生に対して野原さんからメッセージをいただけますか?

タクシードライバーは営業所を出たら一人になるぶん、横のつながり、特に同期との繋がりは大事にした方がいいと思います。国際自動車(kmタクシー)では入社前に内定者同士で集まるイベントが多いと思うので、できるだけ参加した方が良いと思いますよ。先輩や後輩ももちろん大事ですけど、同期はまた特別です。向いている人にとってはタクシードライバーは面白いと思うので、ぜひ挑戦してみてください。

野原さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!